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楳図かずお大美術展に行ってきました。

2023年の6月10日(土)から8月6日(日)まで名古屋のテレピアホールで開催されている『楳図かずお大美術展』に行ってきました。

もともと、東京の六本木ヒルズで開催されていた時に行き逃していた展示。
全国を巡回しているとのことで愛知に戻ってきたこのタイミングで行くことができて良かった。

今回の記事では展示会のレポートを書いていきます。

テレピアホール前のこの看板が目印。

展示会に行ったのは7月8日の土曜日、空はぐずついていて時おり雨が降っていた。オアシス21から新栄方面に真っすぐ歩いて行くとテレピアホールが現れる。

10時から開場ということで、朝一に観て回りたかったこともあり10分くらい前に会場に到着。当然まだ開場はしていない。

入り口は2階。エスカレーターを上がると大きなビジョンが目に入る。

「土曜日だし20~30人くらいは並んでいるかな?」と思っていたが、客数は自分含め5組程度で少ない。あの楳図かずおの展示会なのにこの客足は正直寂しい。年齢層も高めで今の10代は楳図かずお自体知らない人が多いのかな?(そもそもこの展示会の存在が知られてない可能性もあり)

開場前にはスタッフの方が出てきて場内の注意事項の説明を。
注意するところは他の展示会と特に変わらず(写真撮影禁止スポットや買い物は1度だけとか)。説明が終わると入場が始まる。

ちなみに雨の日だとポストカードが貰えるとのこと。こういうサービスは嬉しい!

入場したら、まずは「漂流教室」のパネルがお出迎え。
ここで初めて気づいたが、この展示会、楳図かずおのこれまでの作品を網羅しているのではなく『漂流教室』、『わたしは真悟』、『14歳』の3作品のみに焦点が当てられた展示となっている。

事前に調べなかった自分が悪いのだけど「大美術展」と銘打たれていたら、全作品網羅してると思うのでは…

大好きな『おろち』や『神の左手悪魔の右手』などの展示を楽しみにしていたので、正直少し肩透かしを喰らった部分もある。

「漂流教室」読み返したくなったなぁ。

さらに少し厳しいことを言うと、その3作品を掘り下げてるという訳でもない。

あくまでも概要の紹介に留まっており、それぞれのコーナーの雰囲気を味わうというコンセプトで作られてる気がする。当時の状況や製作裏話、インタビューなど、そうした情報を知りたい人には物足りない展示だと思う。

『わたしは真悟』のパネル。デザインは格好良いし映えると思う。
夢に出てきそうなくらいのド迫力!

じゃあ、この展示の目玉は何かというと『27年ぶりに楳図先生の新作を観ることができる』こと。その1点に尽きるだろう。

楳図先生の新作は『わたしは真悟』の続編にしてパラレルワールドの世界を描いた作品。タイトルは『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』という。

ロボットのさとるとまりん。このビジュアルが最高過ぎる。

漫画の原稿用紙ではなく連作絵画となっており驚くことに全てフルカラー。しかも101ページ分とボリュームも凄い。何でも製作に4年の月日を費やしたということらしく1枚、1枚の迫力が凄い。

凄いのはこの絵も終盤以外はほぼ撮影可能ということ。

27年ぶりの新作も、相変わらずぶっ飛んだストーリーテリングだし絵の上手さも素晴らしい。大げさじゃなく一つ一つの絵に魂と熱量が込められている。

展示会の内容に不満が無い訳じゃないが、この展示を見れただけでここに来た甲斐はあった。

ちなみにカラー版と白黒版の2種類が展示されている。

『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』のコーナーが終わると、『14歳』の展示コーナーが。

『漂流教室』もそうなのだが、巨大パネルを立てるだけなら、この展示会の名前は『わたしは真悟展』にして欲しい(それだと客が入らないと思ったんだろうな)。

14歳のコーナーもパネルは迫力あるけど少し寂しいかな。

そのコーナを出ると楳図かずお先生の生い立ちが年表にまとめられている。
それぞれの作品の連載開始時期を見ると、改めてその先見性と多様さに驚かされる。

ホラーだけじゃなくギャグやSFと懐の広さにも感嘆とするが、どれも後世に語り継がれているくらい面白いのが凄い。楳図先生、改めてこれまでの作品の展示会を開催して欲しいな。

展示が終わると物販コーナーが。Tシャツとか目を惹かれるものはあったが、会場限定のガチャガチャをして終了しました。

会場限定のアクリルスタンドのガチャ。台が楳図先生お馴染みのボーダーになっている点が可愛い。

正直、展示自体は思う所も多かったけど、新作が拝見できたのは本当良かった。楳図先生が好きな人ならチェックしてみて欲しい。客足も落ち着いているので、じっくり観ることができるのもお薦めの点だ。

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