ジャズ・コンポジション「モジュレーション」

バークリー音楽大学の教授が執筆したジャズ・コンポジションを書くための理論書をコツコツ読み進めていきます。

出典はこちら

モジュレーションとは?

モジュレーションとは転調のことで、曲のトニックを変更する手法です。
モジュレーションにはいくつかのパターンがあり、

はっきりと分かるものだけでなく、

連続でキーが移動し中心音が不安定なものもあります。

一般的にCircle of 5thのフラットキーへ転調していくとダークな雰囲気に、シャープキーに転調していくとブライトな雰囲気になっていきます。

メロディの上行を伴うとよりブライトに、下行を伴うとよりダークになります。シャープキーに転調してメロディも上げてよりブライトに近づけることも、シャープキーに転調しつつメロディを下行させて緩和させることもできるので、適材適所で使い分けたいところです。

半音上のキーの転調は、ブライトさだけでなく緊張感が強調されます。
半音下はその逆で緊張感が取れていきます。

モーダルモジュレーション

モーダルにおいてもcircle of 5thに従ってモードを並べると似たような規則で取り扱うことができます。

減5が含まれるロクリアンが最もダークで自然倍音列から構成されるリディアンが最も明るい印象を持ちます。

ロクリアン(B)→フリジアン(E)→エオリアン(A)→ドリアン(D)→ミクソリディアン(G)→アイオニアン(C)→リディアン(F)

ケーデンシャルモジュレーション

調号の変化を伴う明確なパーマネントモジュレーションは、ピボットコードを用いるダイレクトモジュレーションと、突然コードチェンジを行うインディレクトモジュレーションがあります。
対して調号の変化を伴わない、一時的なモジュレーションをトランジェントと呼びます。

ダイレクトモジュレーションの例:
D-7→G7→C→Ab7→DbMaj7
Ab7がC durの短旋法のコード、Db durのドミナントのコードとして機能します。

インディレクトモジュレーションの例:
D-7→G7→Eb-7→Ab7→DbMaj7
Eb-7はC dur内では解釈ができず、Eb-7からDb durへ突然モジュレーションの準備を始めたように響きます。

ノンケーデンシャルモジュレーション

転調先のコードが不明確なノンケーデンシャルモジュレーションには、コンスタントストラクチャーなどがあります。

コンスタントストラクチャーの例:
CMaj7→DMaj7→EbMaj7→FMaj7→BbMaj7
同じインターバルのハーモニーが平行に移動します。

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