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ジャズ・コンポジション「ガイドトーン」

バークリー音楽大学の教授が執筆したジャズ・コンポジションを書くための理論書をコツコツ読み進めていきます。

出典はこちら

ガイドトーンとは?

あるコードからあるコードへの進行の際、ステップやコモントーン(共通音)で2つのコード間を動く、構成音もしくはテンションのことをガイドトーンと呼びます。

コードにおいて特徴的な響きを作っている構成音が優先的に選ばれるので、3rd, 7thが主に選択され、変位した5thなども選択されます。
9th, 11th, 13thやそれらのオルタードテンション(半音変位したテンション)はドラマティックなガイドトーンを形成します。

Autumn Leavesなどの長年親しまれているメロディラインは、ガイドトーンに基づいていることが多いです。

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ほとんどのガイドトーンは下行していきますが、上行する場合はドラマチックな効果が生じます。

ガイドトーンからメロディの作成

ガイドトーンのラインに、パッシングトーン(PT)、ネイバートーン(NT)、エスケープトーン(ET)などのアプローチノートや、ピックアップノート(PUN)、サスペンション(susp)、アンティシペーション(Ant.)、ディレイドアタック(DA)などを加えてリズム的な面白さも加えて、簡単なメロディラインを作ることができます。

パッシングトーン(PT)
2つの異なる音をステップワイズにつなぐ
ネイバートーン(NT)
ある音からステップワイズに離れもとに戻る
インディレクトリゾリューション(IR)
短く等しい音価の2音がターゲットノートを上下からステップワイズにアプローチ
ダブルクロマティックアプローチ(DCHR)
短く等しい音価のクロマティックノート2つが、連続してターゲットノートに向かう

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実際にガイドトーンにメロディを付けてみるとこんな感じになります。

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スタイルごとのメロディックテンション

1920〜30年代のジャズはテンションをメロディに使うことは一般的ではなく、ほとんどのメロディはコードアルペジオやスケールパターンに基づいたもので、テンションが用いられる場合はアプローチノートとして扱われていました。
1940年代のビバップ以降、メロディックテンションの使用率が高くなってきました。

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