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ジャズ・コンポジション「スラッシュコードとペダルポイント」

バークリー音楽大学の教授が執筆したジャズ・コンポジションを書くための理論書をコツコツ読み進めていきます。

出典はこちら

転回形およびスラッシュコード

1970〜80年代、ベースラインの役割が重要になってきて、ベースに様々な音を割り当てるようになってきました。
ベースの音にルート以外の音を割り当てる時に、一番単純には転回系を用います。D7/F#などとスラッシュでコードシンボル(D7)とベースノート(F#)をスラッシュで区切って表現します。これをスラッシュコード(オンコード)と呼びます。
ベースノートにコードコーンが来ない場合も同様にD7/Fなどと表記することができ、その場合はより不協和なサウンドを作り出しますが、効果的に使用するとドラマティックな効果を生み出す可能性があります。

ペダルポイント

持続音をもたせる手法で、多くはトーナルもしくはモーダルのトニック音またドミナント音がペダルノートに選ばれます。通常は低声部に配置されます。

以下の例は低声部にCドリアンのペダルノートが配置され、上声部で4度+3度ヴォイシングによるコンスタントストラクチャー(同じ種類のコードを連続させる手法)を形成しています。
特にスケール内の構成音でのみ形成する場合、パンダイアトニシズムと呼びます。以下の譜例もドリアンの構成音のみなので、パンダイアトニシズムと言えますね。

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ちなみにこのペダルポイントもスラッシュコードの表記だとCm7/C、F/C、Dm/Cというよう表記できます。
ペダルポイントを使うことで、ノンコードトーンも強調されすぎずに取り入れることができます。

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