「好き」の力

ゲームのシナリオライティングは、
大きく分けて2つある。
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①ゼロから企画や原作を作るもの

②多かれ少なかれ、設定が既にあるもの
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後者は、漫画やアニメが原作のものも含む。

個人的な意見を述べると、
自分はどちらも「好き」だ。

原作があるものでも、ないものでも
発注者には少なからず
「今回は、こんなことがやりたい」という想いがある。

まずはそれを聞いて――
「さて、どんなふうに料理しようか」
と素材を前に、調理器具と皿に目を配らせながら
想いを膨らませていく、
料理人のような楽しさが後者にはある。

前者は、どんなゲームシステムを構築できるかなど
条件にもよってくるけど
どんな世界/キャラ/ストーリーにするのか
後者以上に妄想を膨らませ、創り上げていく。
その分、決めねばならないことは多いけど
「今回は、こんな楽しみをプレイヤーに与えたい」
とゲームそのものを少しずつ形にしていける、
わくわくと可能性を覚えることができる。

どちらも得られるものがあり、
難度もそこまで変わらず、
とても楽しい。

しかしながら、自分も最初から
「ゲームシナリオ、楽しい」
「どんどん仕事したい!」と
思っていたわけではない。
当たり前だけど、デビューした頃は
料理の器具はわからず、
材料の調理法も選び方もわからず、
進むにしても右なのか左なのか、
不安だけが募る状態だった。
そうした自分の灯火となったのが
「好き」という感情だった。

ノベル・アドベンチャーが好き。
テキストウィンドウに文字が表示される……
それを想像して、枠を埋めるように
言葉を置いていくのが好き。
RPGが好き。
シミュレーションゲームが好き……etc

こうした気持ちが活力となり、
シナリオを書き上げプロとなり……
何百と続いているうちに
「出来ること」が増えた。
そして「好き」の幅も広がり、
現在に至る。

だから、ゲームシナリオライターになりたい
と思っている人は
「好き」という気持ちがあれば
思いきって業界に飛び込んでみる……
というのも、いいかもしれない。

足を踏み出し
「本気で走り続ける」

これをしているうちに、
新たな「好き」に出会える……
自分でも気づかなかった世界を見ることができる。

そして、そのなかでも
「自然と夢中になるもの」を発見したら……

それはあなたの武器になり得る
「めっちゃ好きなもの」だと思うので、
大事にして欲しい。

「好きこそ、ものの上手なれ」

技術力が同じだった場合、
執念といえる「好き」の力こそが、
1点の差を作り出す。

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