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独居初老人日記(嘘)

 「将来有望なピアニストなのに素っ裸で屋外のピアノを弾かされる屈辱」と「大学教授なのに素っ裸で長時間、独房に閉じ込められる屈辱」の差について、一所懸命に説明している夢を見た後に、僕は目が覚めた。

 二日酔いのフリをして、昨日の(妄想)飲み会について反省をしてみる。

 「…何も覚えていない。…それにしても頭が痛いし、胃もムカムカしている…。」

という嘘のセリフをわざと口にする。

 「…もう酒は金輪際、一生飲まない。」

 これも嘘だ。普段、酒を飲まないので2重のウソになる。

 昨夜は、またしてもクソつまらない話を延々と聞かされ、中ジョッキ一杯のビールを、2時間かけて飲み干し 、豆腐1丁を3時間かけて食した。(ような気もするが、嘘だろうと思う。というか完全に嘘だ。)

 ああそうだ、あまりにも、つまらない話なので、後で検証できるようにiPhoneのEvernoteでメモを取ったんだった。

 早速、メモを読んでみる。

Memo□□□□□□□□□□□□□

インターステラーになぜ双子が登場しないのだろうか?

マナ・カナと宇宙開発

裸にさせられた教授と裸にさせられたピアニスト

お題『裸にさせられた〇〇のその後』

戦争状態でのデザイナーはトランプを作る

お題『戦争状態での〇〇は、〇〇をする』

クソみたいな社会でも…自分がクズでも、なんだか失敗すると面白がってくれるらしい

お題『平和な状態でも戦争状態でも〇〇は、〇〇する』

面白い失敗と面白くない失敗

面白い道の道中は、何をしても面白いのか?

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 メモを読み返して見ると、意外と興味がそそられる。

 しかし、話の内容は、すべて忘れている。

 「コレだったら、また飲み会に参加してもいいかなあ…」と嘘を言い。

 「ああ、もう、お酒は金輪際、一生飲まないんだったなあ…」と嘘を言い。

 「…というかね、」つまらないながらも、楽しめることもあるもんだなあと思いながら、部屋で1人、サッポロ一番みそラーメンを食う。(ここだけはホントだけれども、こんなものを書いて、嘘にしたいと思っている。)

 オレは、まるで嘘のような、第三の道※を進んでいるだろうか?と自問自答を繰り返す。

※第三の道:常に、先の見えない、海のものとも山のものともつかない、人によっては気持ち悪いと言われるかもしれない、得体の知れない物だらけの、得体の知れない人が行き交う、得体の知れない道。(勝手に定義)

 独居初老人日記(嘘)ー一部抜粋ー


久しぶりに、世界で独りきり感が、いい感じで出てきたので記述してみた。 


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