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朝七時に犬を車の助手席に乗せて、国道六号線を走って原町に向かう

書籍「JR上野駅の公園口」(柳美里著・河出文庫刊・181頁)から。
「全米図書賞受賞!」という話題性からも、すぐに読んでみた。
私の知らない「浮浪者」「ホームレス」という世界を、丁寧に再現され、
資料収集・取材の大変さを実感したが、
本書「あとがき」にも、本人が書いた取材のこぼれ話が紹介されていた。
強烈だったのは「あんたには在る。おれたちには無い。
在るひとに、無いひとの気持ちはわからないよ」と言われました、というくだり。
そして「彼が描いたのは、屋根と壁・・家でした」
ゆっくり休める「家」があるということが、どれだけ幸せなのか、
地震や台風などの自然災害、そして原発事故・・などなど、
好むと好まずに拘らず、突然、家がなくなるということの大変さは、
どんなに取材しても、きっと分からない・・と言われたことだろう。
さて、気になる一言に選んだのは、
「朝七時に犬を車の助手席に乗せて、国道六号線を走って原町に向かう」
有名作家の話題作なので、多くの出版関係者が読み、何度も校正を繰り返したはず、
だから、誤字脱字なんてあるわけがない・・と思っていた矢先、
「国道六号線」という単語を見つけたので、メモをした。
国道は「六号」であり「六号線」ではない。県道などは「ケースバイケース」。
以前、私も間違って使っていて指摘されたから、調べ直したら、
国道には「~号線」とは言わないことが掲載されていた。
大したことではないかもしれないけれど、発行部数の多い書籍だからこそ、
改訂(再版)するとき、正式に直して欲しいなぁ。

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