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ブラシの上にのせようって固定概念が間違ってたんだね

映画「解夏」(磯村一路監督)から。
タイトル「解夏」の意味を説明すると、多くの文字を要するし、
単なる解説になってしまうので、ここでは紹介しない。
視力を失う難病に冒され、不安いっぱいの主人公に、
すでに視力を失った先輩(汗)のアドバイスが面白かった。
「こんなこと慰めでもなんでもないんだけど・・」と語り出し、
「私失明して困ったことはたった1つです。一つっきゃなかったですよ」
「それってなんですか?」という問いに、先輩の彼はこう答えた。
「あのね、朝、歯磨こうと思ったら、
歯ブラシに練り歯磨きを上手にのせられないんですよ」と。
そして、こう続けた。「だけどありゃ、なんだね、
ブラシの上にのせようって固定概念が間違ってたんだね。
翌日には解決しましたよ。
なに、先に練り歯磨きを口の中に入れちゃえば済むんですよ。
この程度のものですって言いたいね」と笑う。
だから、不安になることはないよ、そう言ってくれた。
今までと同じ生活ができないというだけで、
何もできなくなるというわけではないんだ、と強く励ました。
目が見えている時の固定概念を、それまでのプライドを捨てて、
どれだけ崩せるかが、これからの生きるコツだ、と伝えた気がする。
早速、目をつぶって歯を磨いてみた・・なるほど、そういうことか。

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