見出し画像

あたしは推しを、きちんと推せばいい。

書籍「推し、燃ゆ」(宇佐見りん著・河出書房新社刊・125頁)から。
話題の本は、巷の騒ぎが少し落ち着いてから・・が私の読書法であるが、
今回は、マスコミ各紙の「沼津出身」(隣市)の見出しに心が惹かれ、
大型書店が4店もある「本の町・清水町」に恥じないよう(汗)
さっそく地元書店で購入して、なんと数時間で一気に読み終えた。
ネタバレになるので、あまり詳しく書かないが、読み易さは類をみない。
それもそのはず、毎日、SNSの投稿を読んでいる私にとっては、
その延長戦のような感じで、抵抗なく読めたのかもしれないが、
逆にいうと、申し訳ない、あまりメモするような台詞は少なかった。
アイドルグループの追っかけをしている女性の日記、
色々なことに悩みながらも、生き続ける姿を盗み読みしてしまったような、
なんとも複雑な想いが私の心に残った。
「ネタがそうあるわけでもないのにブログを毎日更新した。
全体の閲覧は増えたけど、ひとつひとつの記事に対する閲覧は減る。
SNSを見るのさえ億劫になってログアウトする。
閲覧数なんかいらない。あたしは推しを、きちんと推せばいい。」
SNSに繋がっていると、ついつい閲覧数も「いいね」の数も気になるが、
それを敢えて振り切ろうとした決意が私の共感を生んだ。
SNSは、単なる「推し」方法のひとつであり、全てではない、
目的は「推す」対象を、きちんと「推す」ことであり、
他人の意見に惑わされない・・そんな想いが伝わってきた。
今風の文体だから、賛否両論だろうな、この作品。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?