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僕はおしっこに行くと言ってうんこに行った

友人の会社でアドバイザーのような仕事をしている延長で、採用ページ用に社内の方のお話を聞くということがあった。

転職組3名の社員さんに来ていただき、業界を移ったときに感じたギャップなどのお話を伺ったのだがそれがとても面白かった。広告業界は横文字の使用が多いってのは確かになと。そして『慣れたら自分も「アグリーです」という横文字を使ってました』という話も微笑ましかった。

しかし微笑ましくないこともあった。
というのもインタビューが始まったときからずっと僕はうんこを我慢していた。

インタビュー前に済ませておけば良いというだけの話なのだが、便意というのはそんなに簡単なものではない。突然アラートが鳴り地獄へ引きずり込まれるのが便意だ。

そして忙しい中、貴重な時間を割いてくれている社員さんにインタビューさせてもらっているのが僕の立場だ。そんな場の流れを自分の脱糞で止めてしまうわけにはいかない。

僕は冷や汗を垂らしながら「前職で培ったスキルが今の会社に活かせたというお話がもしありましたら聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」と質問をしていた。歌舞伎ばりの寄り目になっていたと思う。

しかしインタビューが1時間を超えた頃、さすがに我が肛門のダムにもヒビ割れが生じ始めた。決壊が近い。このままだと聞き手から出し手になってしまう。

話し手が仕事の喜びについて語り、聞き手がブリブリと漏らしている記事を見て誰が転職を希望するのだろう。流石にこれを現実にしてしまうのはヤバい。

僕は勇気を出して「インタビュー中に本当に申し訳ないのですが、おしっこに行ってもいいですか?」と伝えた。うんこに行くと思われたくないので嘘をついた。

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