マガジン一覧

マイ徒然草

日記、駄文など。#エッセイ タグで書いたものの倉庫

習慣の切れた日

約15年間続けてたことをなぜか今日に限ってやらなかった。 それは「風呂で小説を読む」。  私にとって、文庫本は消耗品で、一度買うと風呂に持ち込んで、毎日コツコツ、一冊をトータルで50回近く読む。毎回読み落としが見つかるから、同じ本でも毎回発見があるのだ。たまに湯船に落とすけど、立てて置いておけば次の日には乾くので無問題。出汁が出なくなるまで読むのでコスパ最強。半身浴も出来て一石二鳥。そんな生活を15年、ほぼ欠かさずしていたのに、今日ついにやらなくなった。用事があったわけで

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マーメイドに対する考察

マーメイドについて考えてみた。あれは頭は人間固定なのだろか。上半身と下半身の遺伝子が相関していない場合、また多様性が適用される場合、大変なことになるんじゃなかろうか。やたら美脚の上半身ブリ状の魚、とか、すんごい醜女の美しい錦鯉風下半身とか。ヒラエルキー上位は、美人、下半身きらっきらの人魚になるんだろう。 そこまで考えると、繁殖どうすんだ。下半身美脚の...うん、何でもない。忘れてください。

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習慣をタグに入れたので書く

1ヶ月半くらい前だろうか、何の気無しに絵が描きたくなった。高校時代まで、授業も聞かずノートに落書きをしまくっていたのだが、大学に入りいつしか絵を描かなくなっていた。たまに、伝言メモにちょこっとイラストをつける程度で、スケッチブックまで買って絵を描くなんて何十年ぶりだろう。 とりあえず、子供受けのよさげなポケモンを描いてみた。ブランクの割にはそこそこ見られる(と勝手におもっている)ものが出来たので、机の上に置いて寝た。朝起きたら次男と三男が絵を取り合いしていて、意外な展開に若

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完璧な母親

Twitterでバズってる、「手作りごはんより惣菜がいいと子供に言われたから明日から350円渡す(要約)」というやつ。本当に350円渡すとは思えないけど。生まれて離乳食から手作りしてたら傷ついたんだろうなあ。私は惣菜だろうが何だろうが、それなりにバランス取れてお腹が膨れればいいだろ的な雑な育児なので、子供達にも雑な親だと思われているだろう。大人も人間だ、完璧になんて無理だぞということは度々伝えてありますが。 私の母は専業主婦として完璧な人で、三食弁当ほぼ手作り、掃除は隅々ま

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140文字小説

Twitterであげた、140文字小説の保管庫です

超短編「チュッパチャプス苺味」

「そういえばさ、」姉さんが声を潜めて僕に囁いた。「あんたのクラスにさ、サッカー部で有名な子いるじゃん?紹介してよ」口に含んだロリポップの甘い香りをさせながら、残酷な内緒話を刺してくる。僕たち、血が繋がってないんだよ?いつになったら僕の方を見てくれるの。 ⭐︎ 校内で弟を見た。私とは違って優秀な弟は、生徒会に入っている。血が繋がってないもんなあ、と鼻筋の通った横顔を眺める。昨日、サッカー部の男子の話を振ってみたけど、弟の表情は変わらなかった。恋はまだ浅瀬だ、引き返すならまだ

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140文字小説「家族写真」

恋人を親に紹介した。両親は狂喜乱舞し、父が皆で写真を撮ろうと言い出した。タイマーがカシャリと鳴る。確認した母が叫んだ。 「やだ、お父さんの頭が光っちゃったじゃない!」 父のハゲ頭がハレーションを起こしていた。笑う訳に行かない犠牲者である彼を見ると、震えながら悲壮感漂う顔を作っていた。

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140文字「マンポウくん」

環境問題への取組として、徒歩移動が推奨されはじめた。   「国民の皆様、移動の際には環境庁から配布するこちらの万歩計をご利用ください。」 ゆるキャラ「マンポウくん」という、不気味な魚の書かれた万歩計が配達された。歩数によって、マンポウくんグッズが貰えるらしい。公式が病気、状態だ。

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140文字「20XX年」

朝が来る。ビルの窓が一斉に陽を反射し、1日が始まる。品川駅始発のリニアに乗って、名古屋の会議に出てそれから... 「...ょうぶ?わかりますか!?」ここはどこで俺は誰だ。テント状の物の中、地べたで寝ていた。這いずって外にでた。 朝日に照らされていたのは、東京を構成していたものの残骸だった。

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死神のこども

死神とこどもと、天使をめぐるおはなし

死神のこども 6

水甕の中には、砂の山になったジウがいる。しばらく甕を見つめていたヤタが、顔を上げた。「どうするんだ、これ。」 水甕を見つめていたら、かえしはぐれた私にかわってヒカリが応えた。「揺籃部にいくように言われた。魂がどうなっているのかは、現場の担当なら分かるかもしれないって。」ヤタはさらに問う。「そういや、あんたは天使だよな、ただの付き添い?それとも、もしかしてヨルと組んだ仕事に関係している?」ようやく砂の山から目を外すことができた私はぼんやりと2人の会話を聞いていた。「ヨルは、私

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死神のこども 5'

崩れたこどもを集めて持ってきた死神が、創世課を訪ねてきた。最近同じ事例が上がってきているのは知っていたが、公式にまだなにも調査は始まっていない限り、迂闊なことは言えない。あくまでシラを通しながら、新しいこどもを勧めてみたがダメだった。一瞬の邂逅は、執着に変わる。天界にある者であるのに、執着を恥じることなく、あの子に会いたいと願っている場合、説得はまず不可能だ。とりあえず揺籃部を紹介した。これ以上ここで粘られるのも正直困る、というのもある。 ただ、あまりにも役所的対応をせざる

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死神のこども 4

創世課に向かう途中、昔のことを考えていた。そういえば、ヌエにも会っていない。私の親だ、「ヌエ」という。 ヌエは天使で、どちらかと言えば変わっている部類だと思う。他人とあまり関わりたがらないが、嫌いなわけではなく、心ここにあらず、という印象が強かった。口数は少ないが、私を可愛がっているのは分かった。そばにいるのが心地よい、それだけで私は満足していた。私がある程度成長し、進路を選ぶとき「死神にする」といったら、珍しく興味がありそうな顔をした。「ヌエが天使だろう?だから子供が死神

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死神のこども 3

私、ヨルと相棒の天使ヒカリは、幼なじみだ。幼少期にもずっと一緒で、友達のほとんどいない私の唯一の理解者だった。私が死神を、彼女が天使を選ぶとなったとき、お互いにサポートし会おうぜ、といって飛び立ってった。 正直なところ、ヒカリが天死省まで同伴してくれるのは、ありがたかった。思ったより、自分が落胆していたから。天死省まで、ジウの入った甕をかかえて無言で歩く。天使や死神なのに飛ばないの?と思われるだろう。飛ぶのは存外つかれるのだ。下界に降りるならともかく、歩いて行ける距離だから

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