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ビーントゥバーチョコレートができるまで【2】〜ポピュラーではないカカオを求めて〜フィリピンカカオとの出会い レイテ島編

2017年になり、僕の中で【チョコレート熱】が再燃しました。

特に何か大きなきっかけがあった訳ではないのですが、入ってくる情報や出会う人の関係する近いところになぜか『チョコレート』がありました。

誰かが作ったことのあるようなポピュラーなものを模倣するのは少し寂しいし自分がつまらないと思っていました。どうせ自分で作るなら、まだ誰も使ったことのないもしくは少数派の人が使っている素材から見つけたかったのです。

カカオ豆はアフリカや南米のものが主流ですが、ここ数年ではアジアのカカオもかなり質が良くなっていると聞きました。アフリカや南米はさすがに頻繁に行くには遠い…もっと近場でつながりが持てないかと思っていたので、それはいい情報でした。

その中でもあまりポピュラーではないカカオ原産国をリサーチしている中で、得た情報が『フィリピン』でした。正直イメージ的にもあまり良くなく不安しかありませんでしたが、フィリピンのカカオを毎日のように、というか24時間に近いくらい調べたところ、どうやらフィリピンにもたくさんの生産者さんがいるとのこと。それなら!と、後先考えずにFacebookでフィリピンのカカオ関連の方々に片っ端から友達申請をしてメッセージを送りまくりました。

友人の友人でを辿って、現地の日本人を紹介してもらって向かった先は、レイテ島にあるタクロバンという都市から車で5時間くらいのマタグオブという村でした。

そこで、案内をしてくださったのが、海外協力隊としてお仕事をされていた高校教師の安倍由香子さん。彼女は現地では『カカオガール』と呼ばれてとても親しまれている方でした。

マタグオブのカカオは、プランテーションと言われるものとは程遠く、各家庭の庭にあるカカオツリーで獲れたカカオポットを自宅でバケツで『発酵』させて、道路の道端で『乾燥』されるという、かなりの荒業で笑、かなりビックリしました…

そして、手で擦る手作りの道具でカカオニブを潰して、【Tablea】タブレアというフィリピンでは人気のある(というか、クーヴェルチュールをつくる装置もないんだと思いますが)カカオ100%のいわゆる【カカオマス】で、お湯や沸かした牛乳で溶いて飲むものなんですね。

これがまた、ザラザラして変な酸味というか苦味があって…雑味がすごい‼️それもまた衝撃でした。正直あまり美味しくない😅でもそれを逆に活かせば面白いかもと思いながら頂きました。

このタブレアを大量に買い込み、帰国後に色々と試作をして、菓匠Shimizuスイーツ晩餐会(年に3〜4回開催される、菓匠Shimizuのお得意様限定案内のスイーツのフルコースを提供するディナーパーティー)で、はじめて商品化。【フィリピンタブレア】として提供もしました。このときは、牛乳とブラウンシュガーとハチミツで味付けした…はずです。

当時はここまでが精一杯で、まだまだチョコレートを作るまでには至らないんですが、年に数回フィリピンを訪問して、いろんなカカオと出会うウチにイメージが段々と出来上がっていくのです。

次回はネグロスかセブの話をします。

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