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おっさんに話したい朝がある

■おっさんをレンタルする

おっさんレンタルとは、その名の通り、おっさんをレンタルできるサービスです。

できることはおっさんによって様々で、

話を聞いてもらったり、一緒に出かけたり、バイオリンを教えてもらったり。

料金は1時間1,000円

気になってはいたものの、中々踏み出せなかったこのサービスをようやく利用したので、体験レポートを書きます。


■おっさんをカートに入れる

まずはサイトから、レンタルするおっさんを選びます。

決まったら次は予定の確認。

載っているLINE宛に、おっさんに直接連絡を入れます。

いつが空いているのか、なにをするのか、

スケジュールとやることを決めたらいよいよお支払い。

サイトに戻り、おっさんを、

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カートに入れる!!

おっさんをカートに入れる!!!

送料は無料!!!


■おっさん、ときどき猫

直接会うのでもオンラインでも大丈夫とのことで、今回はオンライン(ZOOM)でご対面。

1時間話すという名目で、レンタルしました。

自宅ということで、じゃじゃ馬娘(もとい猫)が定期的に私とおっさんの間に入り込んでくるなどしながら、思いついたことを話していきます。

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どんな風に勉強してますかーとか、おすすめのTwitterアカウントありますかーといった話をして盛り上がっていたわけですが、結局最後にたどり着いたのは、恋愛の話。


■拗らせ女子、縦に揺れる

恋愛の話ってことで、

実は彼氏が...とか

ずっと片想いしてる人がいて...とか

なんかそういう相手ありきの話をね、したいよねほんとは。

でも結局私が言ったのは、

「みんなが難なくしている恋ってやつが、私はどうしてもできないんですけどどういうことですかね?!」

だったし、

「そもそも恋愛的な意味で好意を寄せられることに耐えられないんですけどなんなんですかね?!」

だったし、あとおっさんとても笑ってくれた

日曜の朝から、拗らせ女子の話を笑顔で聴いてくれるおっさんの優しさが身に染みます。

「恋?え、恋?なん、え、なに恋って、ん?」

「めっちゃハードル上がってるんですけど、たぶんこんなに重いもんじゃないんですよね恋愛って?!」

と、なぜかテンションが上がっていく私を見て、もはや猫も近寄っては来てくれず、

感情の赴くまま前後に縦揺れしながら話し続ける拗らせ女子と、それを優しく諭すおっさんという構図のまま、開始から55分が経過しました。


■運命の恋は始まらない

さて残り時間5分。

ここまでの55分を踏まえて私たちがたどり着いた結論は、「1ヵ月限定で人と付き合う」というものでした。

恋愛という、いつまで続くかわからないタスクを軽くしてみようという考え。

強制的に期限を切る、という、相手の気持ちを無視した些か最低な結論ではあるのですが、いっそこれくらいさっくり付き合える人と付き合うのがいいのかもね、という話です。

そう、恋愛って、私にとっては超特大激重タスクだけれども、誰かにとっては羽毛布団くらい軽いものだったりするはずだから。

わー!まるで雲の上にいるみた〜い!

...( ˘ω˘ )

「期間限定の恋って、なんだかドラマみたいですね」

「ドラマだったらそこから運命の恋が始まるんですけどねー」

「そうですねぇ。。」

ははは。

そんな会話を最後に、おっさんレンタル体験は終了の時間を迎えたのでした。


■お仕事と推し事

おっさんをレンタルした1時間を終えてみて、

「あ、私がエンドユーザーに聞きたいのはこっちだったわ」というのが感想です。

こっちっていうのは、お互い楽しい話

前半で、仕事やら勉強やらに関する話もしてたんですけど、いまいち盛り上がりに欠けてたんですよ。

それは、仕事が好きだからとか嫌いだからとかいう話ではなくて、単純に、もっと笑いを取れる話があるぞ、という気持ちを持ちながら私が話していたからなんですよね。

この話題はこれ以上面白くできないなーと。

せっかくお互いの時間を使っているわけだから、この時間の価値をあげたい。とすると、適しているのは恋愛の話だなと。

例えばこれが、代理店とエンドユーザーという立場だったとしたら、きっと仕事や勉強の話が、「商品にまつわる話」になります。

で、恋愛の話が、「その人の趣味嗜好の話」

商品を売る立場として、「商品にまつわる話」も知らなきゃいけないとは思うんですけど、これってとってもプロダクトアウト。

売る側の都合しか反映してない。

じゃあこの場合、マーケットインってなんでしょう?

この答えは恐らく、「エンドユーザーが話したい話題」の中にあるように思います。

先日、「ペルソナについて知るって、どこまで知ればいいんだろう??」と考えていたことがあるのですが、そのときたどり着いたのが、

その人にとって、

・これがないと生きていけないもの

・死ぬほど嫌なもの

の2つを知ることだという結論に至りました。

この2つって、確実に「感情の起点」になるから。

そしてここから行動が生まれるから。

そしてそして、この2つに関しての話題は、きっとお互い楽しい

楽しいから盛り上がる、盛り上がるからもっと深く話が聞ける、深く聞ければ聞けるほど売るためのヒントがいっぱい知れる!!


■コミュ障ひっさげて正面突破

エンドユーザーについて知りたければエンドユーザーと直接話すしかないですが、

じゃあなにを話したいのかと聞かれたら、

商品のことじゃなくてエンドユーザーが話したいことな訳です。

ってことは、もはや私が「どうも代理店です〜今日はとある商品に関して〜」なんて言って挨拶する必要がない。

いや、もちろん商品に関する直接的な話も聞いた方がいいのは間違いないので、購入者にインタビューする、とか、Twitterでターゲットになりそうな人に声かけてインタビューする、とかも一手段ではあります。

でもこれだと、警戒心というか、「こう答えねば」という気持ちも出てきてしまうのは否めません。

そしたらもう、お互いプライベートで話せる機会が望ましい。

初対面、プライベート、好きなこと話す。

...社会人サークル!

サークルという形を成していなくとも、エンドユーザーがいそうなコミュニティに行って話を聞く、というのはありかもしれません。

例えば投資系の案件であれば、投資系のコミュニティに行く、

主婦をターゲットとしているなら、主婦向けのコミュニティに行く。

ここで得た情報を元に分析をして、改善提案をするというのは、+αの価値になるのではないかと思います。

問題があるとすれば、コミュニティによってはかなり浮いてしまうのと、初対面の人と話すの苦手なので、初回からうまく行く気はしないということですね。

ただ、プライベートだと思えば、当たって砕けろ精神で突撃できる(はず)うえ、失敗しても「新しい経験」として経験値だけは上がります。

商品をよりよく、訴求をよりよくするためには、「商品」という枠に囚われずにエンドユーザーと関わるほうが、得られる情報は多い。

一度行って検証してみます。