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もしかして勝負下着を手に入れてしまったのだろうか(勝負の予定...)

■起きてから寝るまで、私しか見ないんだが?

世の中には、かわいい下着が溢れています。

「かわいい下着をつけたい」という気持ちは、私にもわかります。

好きなもの身につけたいよな。

私だってクレヨンしんちゃんのパジャマが可愛すぎて買ったもんな。

ただ、かわいい下着などというものは、ネットで、安価で売ってるんです。

下着なんてそもそも人に見られるものでもないし、と思っていたのですが、

プロに見てもらうと違う、高い下着はやっぱ違うという声もあり、今回は普段なら買わないような下着を買いに行ってきました。


■令和はお尻隠さないのが普通なんですか?

なんだかキラキラした店内。

モノクロの写真も飾ってあるし、奥には革張りのソファも置いてある...

店員さんが明らかにかわいい。

あまりにおしゃれすぎる内装に、足を踏み入れる勇気がなかなか出ず、店の前を3往復しました。

意を決して入るものの、どうしたらいいかわからず入口付近の下着を凝視していると、さっそく店員さんに話しかけられます。

「こちらの下着新作で、」と説明を受け、感謝の言葉を述べた後、店内をぐるりと一周。

...ちょっと待って、全体的にパンツの布少なくない?

お尻丸見えティーバックか、

お尻部分に布はあるけど総レースかの二択なのか...?

レースに隠す能力はないぞ。

動揺を隠せぬまま、ひたすらに下着を見ているフリをし、スタート地点に戻ってきました。


■せめて靴を脱がせていただいてもよろしいでしょうか?

スタート地点で茫然とする私に、先ほどの店員さんが再度話しかけてくれます。

もう私、この新作のやつを試着します、はい。

サイズを伝え、店員さんと一緒に試着室へ。

試着室ってさ、カーテンに仕切られた小箱のことを指すんじゃないですっけ?

店の一角に設けられた、簡素な箱のことですよね?

どうして床が絨毯なんです?

レジ脇に急に絨毯が敷き詰められた空間が現れ、そこを進むと、いくつもの試着室が出現。

え、扉?なんかおしゃれな柄が施された白い扉が出てきましたけど、カーテンをシャッじゃないのです?

え、ここって私がスニーカー・Tシャツ・クレヨンしんちゃんのリュックといういで立ちで入ってもいいところですか?

いっそ朝起きるところからやり直してもいいですか?

自分が何をしに来たのかも分からなくなりかけながら、パタンという扉が閉まる音を聞いていました。

ちなみに、本来であれば店員さんが実際に触りながらブラがあっているかを確認する「フィッティング」というサービスがあるのですが、濃厚接触を避けるこのご時世では、このサービスもお休みせざるを得なかったようです。

ということで、試着室の壁に貼られた「正しいブラジャーの付け方」を参考にしながら試着をします。

なんか心なしか、いつも自分が付けているものより良い布な気がする...

試着してみて、店員さんに合っているか見てもらおうと思った時、ちょうどいいタイミングで扉がノックされます。

さすがだ。

私「どうでしょう?」

店員さん「んー、ちょっと胸が潰されていて苦しそうなので、1サイズ大きいもの持ってきてみますね」

私「はい!」

ということで、結局1サイズ大きいものがぴったりだったため、こちらを購入。

ちなみにパンツの存在をすっかり忘れていましたが、パンツはティーバックか総レースの二択で、消去法で総レースを買いました。


■いつも買ってる下着安すぎ説

そしてレジにつき、いよいよお支払い。

お値段、8,690円

いつも買う下着の7倍のお値段!!!

これが高級下着か。

でも、この一連の「購入する」という体験を考えると、心が満たされているのは確かなんですよねぇ。

正しいサイズも判明したし、あとやっぱりどう考えてもいい布だし、確かにいつもつけているやつとはラインの綺麗さが違った。

これが「いい下着を買う」という経験か、と感慨に耽りながら、おしゃれ空間を後にしました。


■あるある言いたい

今回私が感じたのは、「自分がエンドユーザーになってみないとわからないことがある」というある種当たり前のことと、あともう一つ、

「エンドユーザーになった上で、わからないことがある」ということです。

高級な下着を買うという体験ができたので、購入までどんなプロセスがあるのかは理解しました。

ただ、この経験だけで私も高級下着を売ることができるか?と考えたら、できません。

結局私は、もともとのターゲットではなく、本来のターゲットが辿る感情や行動を辿れていないはずだからです。

今回私が手に入れたのは、「ターゲットへの共感」です。

例えば体験前にターゲットに話を聞いていたら、なにもかもが「初めての情報」になり、「知らなかったことを知れた」で終わってしまいます。

しかし今、体験した後であれば、「初めての情報」は「あるある」に変わっており、だからこそ、より突っ込んだ質問ができます。

何も知らない人に話すより、ニワカでもいいからちょっと詳しい人に話した時の方が、話は盛り上がるものです。

前提の共有が要らなくなりますからね。


■誰よりも商品と業界を理解する

前回のレポートでは、

・クライアントさんを通さずとも、ターゲットとなる人に話を聞くことはできる

・社会人サークルに参加して、その界隈の人から話を聞こう

ということを書きました。

そして、「自分がそのコミュニティから浮いてしまう」ことが懸念点でした。

しかしそれであれば、事前にサービスを体験してみればよいのです。

多少強引でも、まずは自分をエンドユーザーにしてみる

その上で本来のターゲットに会い、より深く話を聞く。

この工程を踏むと、今までの自分では気付けなかったことを知りつつ、新しいお役立ち情報も得れるのではないでしょうか。

そしてこれを、競合商品に対しても実施する。

自分で体験したもの+競合商品を体験したもの+ターゲットの生の声

これをまとめて提供するだけでも、十分+αの価値になります。

体験しないとわからないこと、体験したからこそわからないことを身をもって感じることで、提供できる価値は上がると感じた下着購入体験でした。