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「これがないと生きていけない」と思えるものなんてほんの一握りだと、回り続けるヘビを見ながら思った

※ヘビの写真が出てきます

■一発アウトで退場

どれだけ社会に貢献していたとしても、法律を犯すと、それだけで一発アウト、最前線からの撤退を余儀なくされます。

人気芸能人が、逮捕されて表舞台から去るというニュースも、定期的に見かけますよね。

どの業界にも、それぞれの法律があります。

これらを避けて通ることはできません。

そこで今回は、うまく法律と付き合っていくためにどうするのが良いかを模索するべく、

ヘビと触れ合えるカフェに行ってきました。

なぜここを選んだのか?

猫カフェを筆頭に、数多く見かける「アニマルカフェ」。

かわいい動物を見ながらコーヒー飲んでまったりなんて、最高じゃん!

とは思うものの、

そもそも飲食店×動物という組み合わせって、衛生面とか、あとは動物の飼育という観点とかから見るとNGではないのか?

どんな法律でOKになってるんだろう?

と疑問に思ったためです。

もちろん調べればすぐに答えが出てきますが、やはり論じるよりも、まず体験

(ちなみに王道の猫カフェにしなかったのは、過去に行ったことがあるのと、

すでに家にいるからです)

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■お気に入りのヘビを席へ

カフェに入ると、カフェのシステムの説明を受けます。

そして、入り口に陳列されている30匹ほどのヘビから、お気に入りの1匹を選びます。

キミに決めた!と思ったら、選んだヘビとともに席へ。

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私が選んだのは、コーンスネークの夕(ゆう)くん

おとなしく動かないヘビが多い中、箱の中を永遠に回り続けるという元気さ(外に出て遊びたいのよね、きっと...)に惹かれて選びました。

回り続ける夕くんを眺めながら、注文したコーヒーとロールケーキを食します。

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私が今までの人生で撮影した写真の中で、断トツインスタ映えする写真かもしれない...


■ヘビに巻かれる

席に連れてきたヘビと直接触れ合うことはできませんが、別料金を払うと、触れ合い要員のヘビを触ることができます

好きなヘビを2匹選んでいいとのことで、店内を歩き回り、指名します。

1匹目は、一瞬で私の心を奪っていったプエブランミルクスネークの苺

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「苺ちゃんかわいいですねー!」

とテンション上がって店員さんに話しかけたら、

「この子オスなんです」

と言われました。

生まれたときはメスだと診断されたものの、のちに「実はオスだった」ということが判明したんだそうです。

まぁ、かわいいという言葉の前では、性別なんてどれであっても構いませんよね。

2匹目はコーンスネークのアルビノ、ミロちゃん

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お店の方いわく、

「この子はアルビノなので大人しいんですよー」

とのこと。

「確かに大人しいですねー」

なんて返した数分後。

ミロちゃん、私のメガネに巻きつく

#大人しいとは

まさかヘビからメガネいじり(物理)を受けるとは思いませんでした

人生って、予期せぬことの連続ですね。


■アニマルカフェと法律

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楽しくヘビと触れ合うことができ、大満足で店を去ります。

店内は清潔感に溢れているし、ヘビと触れ合う前の消毒、触れ合った後の手洗いが義務付けられているなど、衛生面も徹底されていました。

体験した感想として、何も不満はないですが、やっぱり成り立ちは気になります。

飲食店×動物というのは、どのようにして成り立っているのでしょうか?

こうした、いわゆるアニマルカフェを開業するには、下記の手続きが必要です。

1.営業許可の取得
2.第一種動物取扱業の登録
3.動物取扱責任者の選定
4.ペットフードの製造と販売に関する届出※犬猫のみ
5.消防署への届出
6.税務署への届出             参照:https://kaiten-portal.jp/biz/food/food-open/animalcafe

通常の飲食店が取得するものの他に、

ペットショップや動物園が取得する「第一種動物取扱業の登録」といった手続きが必要になっています。

つまり、拡大する業務分の手続きをしてくれれば、法律的には問題がないということですね。

もちろんこれさえ行えばなんでもOKというわけではなく、

過去には、とあるアニマルカフェの飼育環境が問題視され、動物愛護センターから指導が入ったというケースもあります。

また現在は、権力のある機関に発見されなくとも、SNSなどによって個人からの罰を受けるケースもあります。

ここには、違法かどうかの区別が存在しません。

ただ、そうした批判を受けたとき、

「そもそも法を侵していないのか?」

というのは、その企業の今後を決める大きな分かれ道にはなると思います。

世間から批判を受け、そして法も侵しているとしたら、

一発アウトです。


■広告と法律

不当ではないか?

という議論は、広告業界でも度々おこります。

広告にまつわる法律というと、

・不当景品類及び不当表示防止法(景表法)

・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

が有名です。

その他に、美容医療業界などにとっては、

・医療広告ガイドライン(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)

も抑えておかなければならないものですね。

そして、こうした法律やガイドラインに対して、業界に数年いる人なら誰もが思ったであろうこと。

「年々厳しくなってない...?」

これは、法律が厳しくなったというよりは、

取締りが厳しくなった

という意味が強いです。

違法だとして逮捕者が出るケースもありますし、

広告の媒体審査も厳しくなった、

そして仮に審査通過しても世間から批判という形で取り締まられることも増えました。

数年前に成功の鉄板とされていた手法は、今となってはそもそも出稿自体ができません


■失っても生きていける

こうした背景には何があるのでしょうか?

まず、過去に起きた広告による被害に基づき、「過度な表現によってユーザーに誤解を与えることを防ぐ」という目的があります。

そしてもう一つ、

1つくらい失っても生きていける

という考え方の拡大も理由だと思います。

今から5年ほど前に、とある限界集落にあるスーパーを訪ねたことがあります。

そこは、その町にある唯一のスーパーで、簡単に出歩くことのできない高齢者の方々のために、商品の移動販売も行っていました。

町にいくつかの停車スポットがあり、循環バスのように、決められた時間に決められたルートを回って、商品を買ってもらうのです。

改造された車の中が、小さなコンビニのようになっていて、そこから好きな商品を買うことができます。

ここに住む人たちにとって、この移動販売は、唯一の買い物手段です。

このスーパーがなくなることは、ここに住めなくなることを意味します

このスーパーは、町の人にとって「なくてはならないもの」です。

しかし仮にこのスーパーが都心に出店した場合、限界集落で出店した時と同じような存在になり得るでしょうか?

最寄りのスーパーというのは、とてもありがたい存在です。

しかし、これがないと生きていけないかと聞かれると、否です。

いつもと逆方向に歩いていけば他のスーパーがありますし、同じ場所にまた新しいスーパーができる可能性だって高いです。

「あったら嬉しい」けど、「なくても悲しくはない」のです。

現代では、そうした立ち位置にあるものが、多数存在します。

なくても困らないものに対して、誰かが「違法だ!」「不当だ!「消せ!」と強く主張していたとして、それを止めようとは思いません。

むしろ、誰かにとって強く不要なものであるなら、きっと消えてしまった方が良いという考えも成り立ちます。


■不要だという前提

そもそも必要不可欠ではないものを、誰かに手に取ってもらいたいなら、

もはや法を侵している場合ではありません

好かれる前に嫌われます。

一度嫌いになったものを好きになる努力をしなければならないほど、ユーザーの選択肢は少なくありません

しかし、「違法かどうか」というのは、誰でも簡単に見分けられるものではありません。

むしろ、ユーザーにとって有益な情報だと思って載せたものが、ガイドラインに反していると判断されるケースも多数あるのが現実です。


■これは合法?違法?表現テスト

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これまで以上に、代理店には、「法律を守りつつ売る」ということが求められます。

この代理店は、そのあたりちゃんとやってくれるのか?

今契約してる方、契約を考えている方に

「うちはちゃんとしてますよ!」

を示す手段として、「表現テスト」なるものを提案します。

まず、自社サイトやLPに、「薬機法表現テスト」「景表法表現テスト」と評したリンクを貼ります。

このリンク先は、架空の商品の記事LPです。

この記事の中は、対象となる法律に違反する表現・違反しない表現が混ざって執筆されています。

リンクを開いた人は、この記事の中から違法な表現だと思うものをチェック。

回答を送信します。

送信すると答えと解説が返ってきて、自分の解答があっているのかを知ることができます。

答えと解説を送ることで、相手に対して有益な情報を提供したことになり、信頼感につながります

そして仮に、解答してもらえなかったとしても、これを掲載しているだけで、「法律周りの知識もある」という権威性を添えることができます。

もちろん、解答者は「リスト」になりますので、追加のアプローチをかけていくことも可能です。


■コンサルタントの腕試しにも

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この記事、各コンサルタントが執筆することで、コンサルタント自身の成長にも繋がります。

各法律をしっかり理解することが求められますから、もし曖昧な部分があれば、追加で勉強する必要があります。

そして、記事の最後に執筆者の名前やプロフィールも添えておけば、記事を読んだ方が、

「この人の書く記事おもしろいな。この人に記事書いてもらいたい!」

と思ってお問い合わせしてくる可能性だってあります。

コンサルタントの腕の見せ所というわけです。


■守りながら攻める

代わりならいくらでもある

という流れは、今後も進行していくと思います。

そうした流れの中で生き残るには、誰かにとっての唯一無二であり続ける必要があります。

そのためのプラスの動きをすることももちろん大切ですが、

もしもの時のためのマイナスを減らしておくことも同時に進めなければなりません。

法律というルールを守り、その中で最大限の利益を追求していくこと。

成長のためには、攻撃だけでなく守備も重要なのだと感じる、ヘビカフェ体験でした。