見出し画像

ドローン検定の基礎技能講習ってどんなことするんですか?ぶっちゃけ、受講する意味ってありますか?教えてください。

こんにちは、GDS大阪校の清水です。

ドローン検定の公認指導員で、GARDENZ Drone School(GDS大阪校)を運営しています。

名前が清水克敏なので、シミカツと呼ぶ人がいますが、 実はもっとかっこいいあだ名が欲しいとずっと思っています。

画像1

(著者近影:2021年4月、Youtubeの撮影時)

なんとなく、 Yahoo知恵袋みたいなタイトルになってしまいましたが、今回は ドローン検定の基礎技能講習ってどんなことをするのか、 スクールなんて受ける意味があるのか、ということについて(宣伝を交えつつ)まじめに書いてみたいと思います。

しかしながら、自分のスクールについての記事を運営している本人が書くという、宣伝でしかないような記事なんて、普通は信用されません。だって自分で書いてるんだもん。

自分で書いてるんですが、第三者目線も入れつつ、 役に立つだろう事も織り交ぜつつこれからドローンを始めようか、スクールに行こうかどうしようか、 ドローン検定の基礎技能講習ってどうなんだ?と興味を持ってくれたみなさんに向けて書いてみましたので、 騙されたと思って読んでみてください。判断材料くらいにはなるかもしれません。


最初にドローン検定について、ちょっとだけ説明します。

ドローン検定協会が実施するドローン検定は、1級〜4級までありまして、 認定者数(受験者数)が国内でもっとも多い国交省認定講習機関なのですが、このドローン検定には座学の他に技能講習があります。それが基礎技能講習です。

この基礎技能講習を受講するにあたって、ドローン検定では「4級合格者以上」という条件を設けていますが、 実は3級試験は講習を受けたら取得できるという裏技が使えたりします。ちなみにGDS大阪校では「基礎技能ライセンス講習」という、3級講座と基礎技能講習がセットで2日間で取得できるメニューがあります。時間のない方にピッタリです。

ドローン検定の試験は2ヶ月毎(奇数月)に行われていて、毎回の申込みはかなり早めに締め切られるので、なかなかの人気です。特に最近では3級の受講希望がとても多くなってきているそうです。

ちなみにGDS大阪校(GARDENZ Drone School)は、このドローン検定協会の直轄校であり、ドローン教習所の運営をしています。


ドローンの操縦が最初から上手だった人はいない。日本のトップオペレーターがやったこと

ドローンのオペレーターとしてお仕事をされている中には、飛行時間が1000時間とか3000時間とかいう方がいらっしゃいます。 いったいどれだけ飛ばせばそんな飛行時間になるのか謎ですが、毎日2時間300日、5年間も続ければ3000時間になります。

聞いた話ですが、日本のトップオペレーターの方は、 毎日5時間300日ぐらい練習したそうです。だいたい1500時間ぐらいでしょうか。逆に言うと、 今からでも毎日5時間1年間練習したらトップ取れるっていうことです!夢がありますね。

ちなみに日本のトップで年収は数千万〜1億とも言われていますが、定かではありません。


はじめてのドローンはホバリング機能がついてないトイドローンで始めたほうがいい

と言われています。

トイドローンでもいいですし、Tinyhoopでもいいと思います。とにかく、何もしなくても空中で浮かんでいるドローンでは「コントロールしている」という感覚が身につきにくい、ということだと思います。

私もそう思います。

私が初めて買ったドローンは、ParrotのMamboという機種でした。ホバリング機能がついていて、何もしなくても空中で浮かんでいてくれます。200g以下なので部屋の中で飛ばせますし、操作の練習にもなりました。


しばらく経ったある日のこと、インターネットでDJIスペシャリストの試験ではATTIモード(後述)で試験があるという話を知って、

こんなので練習してても試験に合格しないし上達しないじゃないか!

と思いまして、すぐにAmazonで5000円ぐらいのを買いました。安いので十分です。→リンク貼ろうと思ったらもう売ってなかった。。。


で、これがすごく良かったのです。何が良かったって、Amazonでは★がたくさんついてますが、全然コントロールができないのです。僕はめっちゃいい!と思いましたが、この商品に なぜ★が4.5もついているのか未だに謎です。ひょっとするとステマでしょうか。

ちなみにこの時に買った機種、上下左右回転前後、ラダーもエルロンもスロットルもエレベーターも、プロポの動きをすべて操作してコントロールしなければなりません。 まるで左右の手足全部使ってる気分になってきます。

ホバリング機能があれば指を離しても空中に浮かんでいますが、そんな機能がついてない機種は指を離した瞬間に落ちます。一瞬です。

当時は毎日1〜2時間ぐらい、これを空中で止めたり、部屋を行ったり来たりの練習をしていました。

買ってすぐの頃は30秒も空中に浮かべることが難しかったのですが、1ヶ月もするとバッテリーの持つ間は空中に浮かせてられるようになりました。たぶん誰でもそれくらいで出来るようになると思います。

自分の話はもういいですね。すみません。


そろそろ基礎技能講習について書いていきます。。。

基礎技能講習は上手くなるための講座(スキルアップ講座)ではありません!

基礎技能講習を受けた方にお持ち帰りいただくものとして以下の3つがあります。

「10時間の飛行履歴と公式ログ」
「飛行許可申請書類の一部免除」
「基礎技能講習ライセンス(証明書)&ライセンスカード」

国交省から飛行許可を受けるには「ある一定のスキル」を持っていなければなりませんが、 その「ある一定のスキル」を証明するのが「10時間の飛行履歴」であり「認定スクールの修了証(=技能認定)」というわけです。

まず重要なのは飛行許可を取ることです。趣味でも仕事でも、飛行許可がないと始まりません。

基礎技能講習とは、基礎的な技能を身につける=飛行許可を得るための講習なのです。


ですので、もっと上手くなりたい!という方は、スキルアップ系の講習会に参加されることをオススメします。

スキルアップ系の講習会については、そのうち私もやってみようと思っていますので、その際はよろしくお願い致します。

基礎技能講習では、9割がシミュレーター訓練です

画像2

(こんな感じでシミュレーターを使っています ※普段はスクリーンは使ってません)

ドローン検定の基礎技能講習は、座学を1時間、シミュレーターを使って飛行訓練を9時間以上行ってから実機を1時間、その後で修了試験です。

え?実機は使わないの?と思ったあなた、鋭いです。

実機講習は全体の1割、9割がシミュレーターです。


シミュレーターなら何度失敗しても大丈夫!

シミュレーターは本物と同じプロポを使い、ビジョンセンサーをオフにした状態で飛行したり、まるでタイニーのような機種で飛ばしたりもします。風を吹かせたり、プロペラを1枚ずつ止めたらどうなるのか、などのシミュレーションも体感します。

こんなこと、実機で訓練出来ません。

ちなみに、 GPSを切った状態をATTIモードといいます。GPSが切れているので、その場所に留まっていることが出来ません。浮かんでいますが、流れていきます。

実機と違ってシミュレーターはたくさんのことを一度に経験できます。

だから、最初は出来なくてもいいんです。何度でも失敗していいんです。むしろ、たくさん失敗できることがメリットだと言えます。DJIのファントムを何十機も壊しちゃってください。

私はトイドローンを使って毎日練習しましたが、基礎技能講習を受けに来られるのは、ドローンをまだ購入していない方がたくさんいらっしゃいます。実はそのような方こそ、最初にシミュレーターで操作感覚を養うことが重要だと考えます。

ドローンは機械ですから、いつGPSが切れるかもしれません。壊れるかもしれません。 そんなアンコントローラブルな状況でも、飛ばした以上は自分の責任で手元まで戻さなければなりません。

そんな不測の事態の練習なんて、 シミュレーターじゃないと出来ませんよね。航空機もシミュレーターでトラブル対応の練習をします。

シミュレーターなんて使って、 実機を飛ばさないと役に立たないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、逆に 実機でできないことが出来るのが、シミュレーターのいいところなんです。

ちなみに、基礎技能講習のシミュレーターソフトは 市販のものをベースに改良されています。そのため、改良前のものであれば 自分で購入して練習することも可能です。

購入すれば誰でも練習することは出来るんですが、市販のシミュレーターでは 飛行履歴10時間にカウントできないのです。個人で飛行しての申請は実機のみで、ドローン検定の 基礎技能講習を受講してのシミュレーター訓練はカウントされるのです。なんだか少しやるせないですね。。。

リアルフライトのドローン検定オリジナル版を使います。これです。3万円ぐらいで売ってます。 


基礎技能講習のメリットと個人で受ける意味について

ここまでちょっと長くなりましたので、整理します。

・ドローン検定は1~4級まである
・基礎技能講習を受けるには4級以上の合格が必要である
・3級は  お金を払ったら 講座を受講したら取得できる
・基礎技能講習はスキルアップのための講習会ではなく、飛行許可(承認)を得ることが目的(と思ったほうがいい)である
・基礎技能講習は2日間で10時間の飛行履歴が、公式ログとして残る
・シミュレーターが9割
・シミュレーターは実機で出来ないことが出来る


航空局への許可申請は自力で出来ないのか?

について比較検討してみたいと思います。


ドローン検定の基礎技能講習を受けて申請する場合

・GDS大阪校の基礎技能ライセンスコースに申し込む。
・2日間受講する。ライセンスが取得できる。
・ドローン検定のHPから技能認定証をダウンロードする
・ドローンを買って申請する
・2~3週間程度で許可される
受講時間:2日間
申請まで10日間くらい?
費用:89,800円(GDS大阪校の場合。ドローンの購入費用は除く)


飛行許可を自力で申請する場合

・ドローンを買う
・近くの飛行可能区域を調べる
・その区域の管理者さんと調整を行う
・その飛行可能区域まで行って、10時間ドローンを飛ばす(ログを付ける)
・単に飛ばすだけじゃダメ。十分な飛行経歴を持った人が監督する元で、飛行マニュアルで決められた訓練方法で10時間飛ばす
・申請する
・2週間程度で許可される
10時間の飛行履歴と飛行訓練の時間:1~3ヶ月?
申請までの期間:1〜3ヶ月?(場合によっては1週間程度?)
費用:飛行可能区域まで行く交通費、その他経費(住んでる地域による)

自分で申請される方は、 自分がどれくらいの期間で10時間飛ばせられるかを考えてみてください。また十分な飛行経歴を持った人が監督する元で10時間です。そんな人まわりにいないよw


結局、基礎技能講習は受けたほうがいいの?受けなくてもいいの?どうしたらいいの?


結論から言いますと、 どっちでもいいです。どっちでも可能です。

という、身も蓋もない結論を書いたら怒られるので、


個人的な意見を書きます。

私は、個人で講習を受ける意味というものがあるとすれば、 時間と信用をお金を払って手に入れることだと思っています。

講習を受けると、お金はかかりますが時間は短縮出来ますし、基礎技能講習のライセンスが付与されて、一定のスキルがあるとみなされます。DIPSの操縦者登録にもスクールで技能認定を得たことが記録されます。


ということで

最初にドローンを購入することが出来て
毎週末に(毎日でも)飛行する時間的な余裕があって
飛行可能区域まで自分で行くことが出来る(クルマ必要な場合がほとんど)

という方については、ご自分でされるのもいいかもしれません。

逆に

今はドローンを持っていないが(まだ買いたくない or 買えない)
時間を掛けたくない(時間的な余裕がない)
都市部に住んでいたり、車を持っていないので飛行場所まで行けない
業務(仕事)で使うので、しっかりした裏付けが必要(たまにクライアントに提出を求められる)

というような方は、受講される方がいいと思います。

ちなみに私は、最初の頃は自分で飛ばしてましたけど、結局は基礎技能講習を受けました。

スクールに7〜9万円かけるのと(しかもまだドローンを買ってないのに)、ドローンを15万〜20万ぐらいで買って、ガソリン代高速代使って10時間の飛行経験を積んでから申請するのとでは、考え方の問題ですので どちらがいいというのはないと思います。 どっちもOKです。

ですので、

自分は業務で使うからきちんとしたい、という方や、 これからドローンを使って仕事をしたい、という方は、どうぞ 今すぐにでも基礎技能講習を受けに来てください。基礎技能ライセンスコースであれば 2日で取得できますし、出張対応もしています。

ということで、基礎技能講習を受講してみようかなーと思ったら、このページから申し込みできますのでよろしくです!


最後に

今回、出来るだけ正直に書いてみたつもりです。
本当なら「みんな受けたほうがいいよ」と書きたいところですが、受けなくてもいいんじゃないかな?という人もいると思います。

受ける理由は人それぞれだと思いますが、ドローンは飛ばしたいけど スクールって行かないといけないの?という質問に対して、きちんと向き合ってみました。

もしかしたら向き合い方が足りなかったかもしれませんので、次回は「こんな人はスクールを受けなくてもいい」みたいな記事をスクールの講師が書いてみたらおもしろいかな、と思ったりします(笑)

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
GDS大阪校 清水克敏(シミカツ)



《2021年6月追記》

これは2019年の6月に書いた記事です。ちょうど2年前です。

少しリライトしたり、古くなったリンクを整理したりしました。

この頃から法律(航空法)も変わったり、来年度(2022年)には更に法律が変わって『ドローンライセンス(免許・国家資格)制度』になったりと、ドローンの環境はめまぐるしく変化しています。

今回読み返してみて僕の基本的なスタンスは変わりませんが、来年度の免許制度への移行についてはスタンスは変わるかも?と思っています。というのも、指定されたスクールを受講した人は試験の一部免除という一文が政府の発表に入っているからです。

変わらず許可承認は残るそうですが、ライセンスを取得したほうがはるかに楽だからです。

ここはもう少し様子を見ないといけませんが、おそらく秋口ぐらいにはわかるのではないでしょうか。

ここで取得した技能認定が2等ライセンスの取得の際に試験の一部免除になるということであれば、ぜひ取得をおすすめします。飛び込みで取る自動車免許みたいなもので、ほぼ1回では受からない試験を受け続けるよりサクッと講習受けたほうが早いですからね。

ライセンスについては、最新の情報を追っていきたいと思います。

ということで追記終わります!

ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?