筺底のエルピス3 -狩人のサーカス-を読みました

お疲れ様です。
しめさばです🐟

今回も読書感想noteです。
よろしくお願いいたします。

●読んだ本

さて、『今回は筺底のエルピス3 -狩人のサーカス-』を読みました。
前回の記事でご紹介した本の続きです。

一応、読書感想noteとして、たびたびお伝えしているように「未読者に向けたざっくりとした感想」と、「ネタバレありの既読者向け感想」に分けて書きますが、今回は3巻なので、それ以前の巻を読んでいない人に向けて話せることはほぼほぼないので、前者の感想はめちゃくちゃ短くなると思います。
ご了承ください。


●ざっくり感想(総括)


「たすけて……」としか言えない巻でした。
面白いです! もちろん面白い!!
でもつらい!!!!

今までは「絶望の中に一縷の希望を見出す」話が展開されてきたんですが、今回はもう「絶望&絶望」でした。
こんなのってないよ……。

今まで2巻分も書いてある感想noteを読んで、しかも3巻の感想noteまで読みに来ているのにまだエルピスを読んでいないあなた。
いい加減観念して読んでください!!!!!
以上!!!!!
未読の方とは、短くなってしまいましたがここでお別れしましょう!!
読んでくださりありがとうございました!!!



●ネタバレあり感想


間白田ッッッッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?
えっ、お前、えっ……お前……おい…………。
こう……ただでさえ2巻の最後で、これまで読者の心を支えてたチョロッッッとした希望の入った箱が、さらに縮小されてちっちぇ~~箱になっちゃったのに、その中に入ってた唯一の希望が真っ先に血液まき散らして死んじゃうのはおかしいでしょ!!!
基本的に私は本を読んでいる時は集中しているので終始無言のタイプなのですが、思わず「エッッッ!?!?」って声が出てしまいました。
本当に、希望を刈り取るのがお上手ですね!!! 私は怒っています。
どうすんだよこの後……ちゃんと段取り考えてんの??(考えてるに決まってるだろ)

そして、今回も物語の展開が上手いこと上手いこと。
あれだけ丁寧に丁寧に正惟のチームの狩りのシーンを描写していったら、「この本の肝になる戦闘は正惟のチームとの戦闘なんだな!」って思うじゃないですか。
全然そんなことなかった!!
あれだけ丁寧に準備して始まった戦闘を前座にしちゃっていいんですか!?
正惟との決着があっさり着いた時点で、急に嫌な予感がしてくるんですよね。
そして、その後の最悪のシーンですよ……。

正直ね、2巻の時点から思ってました。
ああ、多分伊吹は長生きしないだろうな、と。
なぜなら、これもめちゃくちゃ書き手目線になってしまいますが、他のキャラクターたちに比べて、あまりにも他キャラに対しての役割が少ないからです。すでに結という特大の爆弾を抱えている状態で、非戦闘員かつキャラクター同士の感情を生む以外の活躍ができないキャラクターというのはかなり生きづらいだろう……と、思っていたのですが。
そんな生ぬるいものじゃなかった。
正気を取り戻した正惟の目の前で伊吹の首を飛ばし、それを冬九郎に見せつけ、怒り心頭の冬九郎にも大穴を開け、その両方を正惟に見せつける。
どうしてここまでするんですか……?
オキシさん、絶対書きながら興奮してますよね?? 「私も書きながら苦しいと思ってました」とか言われたら怒りますよ!!!
楽しんでないならここまでしなくていいよね!?!?!?
しんどすぎてゲロ吐くかと思いました。
このシーンについて最も言及したいのは、死の書き方が丁寧すぎる! ということ。
バトルモノの物語において、キャラクターの死というのはやはり避けて通れない要素だと思います。
そして、能力者モノ同士のバトルとなれば、その命が散るのも一瞬。
ですから、書き手がそこを適当に済ませてしまうと、読者側もあっさりとキャラの死を見せられることとなり、「え……こんなにあっさり死んじゃうの?」という気持ちになってしまうわけです。
エルピス3巻でも、あっさりとキャラクターが死にます。
本当に、つい数行前まで生きてたのに、今読んだ行で、死ぬんです。
その、「一瞬の死」の書き方が、上手すぎる。
今までそのキャラクターが生きていたこと。その命が一瞬で失われ、ただの「少し前まで生きていた肉」になった、ということを丁寧に、丁寧に書かれている。
それにより、私たちはそのキャラクターの死について、しっかりとショックを受け、このように大きなダメージを受けているわけです。
先ほど私は「伊吹は長生きしないと思った」と言いましたが、それは、この筺底のエルピスという作品の世界観がものすごく過酷である故の感想であって、別に、死なないと物語上の価値がないキャラクターというわけではもちろんありません。一度出てきたキャラクターはその物語上で生き続けるし、逆に言えば「その死に対してよほどの理由を感じられなければ、読者としては納得がいかない場合が多い」ともいえるわけです。
エルピス3巻では、強敵、奥菜正惟、そしてその娘の奥菜伊吹、正惟の弟子である冬九郎がまとめて死んでしまう、というシーンによって、今後の脅威になるであろうエンブリオの残忍さや恐ろしさを示し、そして朱鷺川ひかえの大きな心情変化をもたらしました。
過剰だとも思える描写に私は打ちのめされ、余計に「この後どうなってしまうんだ……」という絶望感を膨らませて3巻を閉じたわけです。

いや、伊吹、生き残れなさそうだとは言ったけど、伊吹と一緒に成長していく冬九郎も見たかったよ、私は……。

そして、3巻の目玉はなんといってもエンブリオですよね。
エンブリオという名前はとっくに出てきていて、その意味から、「進化する敵が出てくるのかなぁ」とか思ってたんですが、まさか学習系の敵が出てきてしまうとは……この物語で一番出しちゃダメなタイプの敵でしょ。荻窪童子でワーキャーやってたのは一体なんだったんだ……。
ゲオルギウス会ともはちゃめちゃに因縁のあるキャラクターだったので、今後の展開が楽しみです。
……ワイデンライヒがあっさり死んだりしたら私は泣きます。

さて、絶望しつつもめちゃくちゃ面白いのですが、3巻は特に、他勢力との抗争がメインになりすぎて『鬼』はどうした?? という気持ちになり始めているので、4巻以降ではまた『鬼』についてもしっかり問題の中核として取り組んで欲しいなぁと思ってもいます。
とはいえ、どうせ読み始めたらそんな細かいことは考えられずに必死で文字を追うだけになってしまうんですけどね……(なぜなら面白いので)。

多くの人から「4巻が最高だぞ!」と言われているので、楽しみに読んでみます。
しかし今日はもう感情がクシャクシャになっちゃったから、明日から読みますね……。

今回の感想はこんなものにしておきます!!
読んでくださりありがとうございました。

しめさばでした🐟

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