Shimbawa

自分が当たり前として深く考えてもいなかったことに、ちょっと風穴があく。そこから思いがけ…

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自分が当たり前として深く考えてもいなかったことに、ちょっと風穴があく。そこから思いがけない発見と発展があったら、楽しい! そんな「出会い」と「気づき」をつづっていきます。

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「日本で仕事してました。」 チリ ーキューバ ー 日本 ー ドイツ

ドイツのケルン日本文化会館が催す会で、出会った人たちについて書いていきます。 チリ生まれのフェリペさん(30代)、大学では日本語を勉強した。日本の文化や黒沢映画に魅せられ、自分も映画監督になりたいとキューバの国際映画大学(International Film School of Cuba )に入学。ハバナ近郊にあるこの大学は、ユネスコの資金で運営されており世界中から映画監督、脚本家、映画業界の仕事を目指す若者が集まってくる。入学条件は、学士号(BA)を取得していること、と年

    • 「もうこれ以上、だめ。。バーンアウト」ポルトガル ー ドイツ

      2年ぶりの再会。「元気? どうしてた?」 「僕、バーンアウトになったんだ。」「え?」 ポルトガル人のペトロは大学を出てから、地元で日系の車部品会社に就職。グローバル企業でドイツのケルンにも会社があり、そこに異動すれば給料も約8倍、ということでドイツにやって来たのだった。イタリア人、ポルトガル人、アメリカ人、ドイツ人、日本人の上司、という編成でまあ、なんとか順調に6年。ところが突然、事業閉鎖の方針が決まり600人中550人が解雇。それで彼は、新しい仕事を探さなくてはならなくな

      • 「さあ、旅立つゾ! 日本へ。」

        ドイツのケルン日本文化会館が催す会で、出会った人たちについて書いてきます。 トビンさん。19歳。高校修了試験アビトゥーアを終え、これから日本と韓国への旅に出る。出発は来週の金曜日。日本語は、4か月間自分で勉強してきた。日本に行ったら、函館を皮切りに屋久島まで52日間かけて回る、という。Tokyo-市 (^^♪  Matsumoto-市、など3か所で、ボランティアもする予定。ボランティアというのは、農家でのお手伝いとか、ベビーシッターなんだそうだ。その代わりに、その家に泊めて

        • ピアノの時 5世代の物語 旧ドイツ領(チェコ) ー 現ドイツ領(ゾーリンゲン)

          マリコさんのピアノコンサートの会場に、かわいらしい男の子が座っていた。ドイツ、ケルンのこのギャラリーでは、時々コンサートが行われるが、いつもは広いと感じると空間もグランドピアノと、30余りの椅子が並べられるとかなり狭く感じる。マリコさんは、ラフマニノフ、ラヴェル、とかなり複雑な曲目を体全身のエネルギーを鍵盤に注ぎ込むように弾いている。男の子は少し顔を紅潮させ、まんじりともせず聞き入っている。横には、彼のおじいさんと思われる人が座っている。ピアノの才に秀でた孫のために連れてきた

        「日本で仕事してました。」 チリ ーキューバ ー 日本 ー ドイツ

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        記事

          キエフ ー モスクワ ー ケルン

           ネリアは、キエフで生まれ育ったウクライナ人で、私とは昨年の10月からのドイツ語クラスが会い親しくなった。私にとって彼女のイメージは淡いピンク、桜だ。表題の「キエフ ー モスクワ ー ケルン」というのは、彼女がこれまでに過ごしてきた街。  ご主人は、ロシア人。しかし、生まれたのがブルガリアだったのでブルガリア国籍も持っている。ブルガリアはEU加盟国。となると、EUのどこでも働ける。それで、二人はドイツのケルンで暮らすことにしたのだ。「モスクワを離れよう」ということは意見が一

          キエフ ー モスクワ ー ケルン

          ロシア軍、ウクライナ侵攻(日々のニュースから 在ドイツ: 2022.02.27~)

          <03.02記> ロシア軍の侵攻から7日目。避難民の数80万人。(Zeit) キエフから西に約350キロにあるフメリヌィーツィクイにいるジャーナリスト。一日に何度もドイツ国営放送ZDFを通じて、刻々と変わる情勢を伝えている。その中の一つ。ウクライナ側が捕虜になったロシア兵に、ロシアにいる母親に戦争の実態を伝えるように電話をさせたと。他にも、人々は「プーチンはウクライナ在住のロシア国民を助けているのではなく、ウクライナ一般市民を殺戮している」ということを知らせようと、ロシアに住

          ロシア軍、ウクライナ侵攻(日々のニュースから 在ドイツ: 2022.02.27~)

          「その男ゾルバ」と、女たち。

          この映画の題名はなんとなく聞いていた。だが、見たことはなかった。 見て驚いた。アンソニー・クイーンの素敵なこと。彼が山を振り仰いだその顏を見れば、彼がそこに素晴らしいアイデアを見つけたことがわかる。最初から最後まで、思いがけない展開に引っ張られるように見てしまう。映っている人々の顏もいい。味がある、っていうのかな。クレタ島の島民も映像に映っているという。 でも見終わって、数日経つうちにじわじわと心の中に沈むように入ってきたのはそこにいた女たちだ。 まずはマダム。海軍大将が

          「その男ゾルバ」と、女たち。

          「ひまな私の ヘチマ研究」

           スイスに住む友人がケルンに訪ねてきて、一緒にコルンバ美術館に行った時のことだ。  へちまが2本、床の上にある。そのヘチマの上にはとろりと緑色のクリームのようなものがかかっていて、まあ、敢えて言えば「巨大抹茶エクレア」という風情だ。  一目で「へちま」とわかる。どうしてこんなものが美術館にあるのか? もちろん、「アート」だ。でも、「これがアート!?」「へっ?」というのが、正直な私の感想。でも、ま、良しとしよう。自分だって、初めてマンゴを食べた時、種が丸じゃなくて、子どもの手の

          「ひまな私の ヘチマ研究」

          樹のコミュニティ

          家から自転車を走らせているうちに、いつもとは違うルートで走ってみたくなった。道の岐路に来るたびに、「すてきな気配」のする方を選ぶ。気の向くままに。 この木の幹が目に入った時、一瞬「?」となった。急にアートが出現したような気がした。無骨で、やたらでかい茶色っぽい物。「ナンダ?」って感じで、視線を滑らせていったその次の瞬間、ひゃ~と、うなってしまった。巨木だった。 この根のたくましさ。自分の目の高さでは地面に隆とした幹しかみえない。自分の首をほぼ90度になるまで反らしてやっと

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