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クラウドファンディング企画から屋久島の未来へ思いを馳せる

島結-SHIMAYUI-も途中から参画しているがクラウドファンディング企画「屋久島癒しの応援ギフト」が、ネクストゴールの目標であった300万円を上回る結果となり、6/14に募集が無事に終了しました。

たくさんの応援や記事のシェアなど本当にありがとうございました!!
おかげさまで、最初の目標達成から、ネクストゴールの目標達成にまで至ることができました。

目標達成が企画の成功とするならば、今回の企画は大成功だったと言えると思います。

そして、そこへ向かって活動している「やくしま未来応援団」の方々やギフト提供に参画した事業者の方々の努力の賜物だと思います。島結も一事業者として参加していたので、何か自分で自分を褒めている感じになってしまいますが、そういうわけではありません。これには理由があります。

冒頭にも書きましたが、今回、企画の途中(第2弾リターン追加)から参画したこともあり、参画した事業者=当事者としての視点からと、この企画を外から見る=外の視点からと2つの視点で、この企画を見守り続けてきました。これまでの屋久島とこれからの屋久島のことにもつながっていくのでは?という思いもあり、考えたことをまとめておきたいと思います。


■”はじめることの大切さ”と”いかに屋久島へ貢献するか”

まず当事者としての視点ですが、この企画の成功を”努力の賜物”と表現しましたが、例えば「屋久島」というネームバリューがあったとしても、”この企画をスタートする”、”動かし続ける”というアクションがなければ、何も起きなかった。その意味では、言葉通りではないかと思います。もちろん、たくさんの方々に応援、支援頂いたおかげということは言うまでもありません。

ただ、この企画は、まだ折り返し地点を過ぎたところにあると思っています。これからギフトの発送をして、支援者や支援者が想う方々へしっかりと癒しをお届けすること。そして、最初に掲げている医療従事者、関係者への支援をどう果たしていくかが、この企画の本当のゴールだと思います。支援者の方々への最後の報告をもって、この企画が完結するのだと思います。

クラウドファンディングは、ソーシャルキャピタル(今回の場合、屋久島への信頼や期待など)をお金に変換することだと言われたりします。その中でも”期待”に関しては、支援していただいた方々、それぞれ思い描くものが少しずつ異なるのではないかと思います。企画の当事者として、屋久島に住む者としては、その期待を想像し、寄り添いながら描き、実現していくことを課せられているのだと感じています。

この企画自体には、企画のはじまりがあり、終わりがあります。しかしながら、屋久島という地域と屋久島に関わってくださる方々(観光だけではなく、住んでいる人から屋久島に想いを寄せてくれる方々まで幅広く:最近は、「関係人口」という言葉もありますが、屋久島を自分事として捉えてくれる方々という表現がしっくりきます)との関係はこれからもずっと続いていきます。

島に住むひとりとして、屋久島という地域そして、屋久島に関わってくださる方々へ、何かしらの価値を提供していくことで、自分自身が屋久島にいかに貢献するか?がこれからますます問われることになってくると考えています。

そして、その貢献は、この企画ではもちろんのこと、自分自身の日々の活動においても求められているのだということをあらためて自覚させてくれました。


■成功は、努力の賜物なのか、屋久島のブランド力なのか?

もうひとつの視点=外からの視点では、なぜこの企画は、多くの方に応援、支援していただけたのか?ということを冷静に振り返ることです。

先ほどは、企画をスタートさせた方々の”努力の賜物”と表現しました。また、リターンとなった各事業者が出品した商品力やその商品を生み出す人の魅力などが組み合わさって成し得たという考えもあると思います。

しかしながら、この企画を一歩引いて、外から見つめたとき、ひとつの疑問が浮かびます。これと同じ企画をほかの地域で実施したときに、果たして同じ結果になったのだろうか?

「屋久島」という地域をひとつのブランドとするならば、少なからず「屋久島ブランド」の力によって成し得た企画だったのではないかという考え方もあると考えています。

自戒の念を込めてになりますが、「屋久島ブランド」を容易に振りかざし続ければ、いつかその輝きを失い、光に照らされなくなる日が来るように思います。

私自身も屋久島に移住してきて、何とか人間として生きてこれたのも(人間としてしか生きられないのですが…もののけ姫のサンにはなれない)、屋久島というブランドのおかげだったなと感じることが多いです。屋久島に頼りっぱなしだったなと…。

コロナウイルスの影響で、大きく変わろうとしている社会の中で、屋久島という地域が、日本国内はもちろん、世界の中で、どういう役割を担っていくのか?それは、屋久島の本当の価値を問う、というこの島に住む我々にとっての現在進行形の課題です。

■”屋久島に頼る経済(循環)ではなく、屋久島を支える経済(循環)へ

今、観光地としての屋久島から、新たな価値を纏う「屋久島」へ。それがどんな屋久島なのか?その答えはまだ誰も持ち合わせてはいません。

少なくともただ待っていて見えてくるようなものではないと思います。そして、誰かから与えられるというようなものでもないと思います。

だからこそ、新たな価値を自ら生み出していこうとする一歩が大切なのだと思います。これからは、”屋久島に頼る経済(循環)ではなく、屋久島を支える経済(循環)をいかに我々の手で作り上げていくのか”、この決して容易くはないミッションへ向けて、一人一人がまずは一歩踏み出すこと。答えはその中にしかないと思います。

今回のプロジェクトは、外の視点で見つめた時にも、屋久島の未来へ思いを馳せるひとつのきっかけになったと思います。企画が良かったのか悪かったのかという問いはこれからのことを考える上で、あまり意味を成しません。一人一人がこの企画から何が得られたのか?を問うことが次につながっていくと考えています。

最後に、ご支援・ご協力をいただいた方々へあらためて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


〈執筆後記〉
コロナウイルスがあろうがなかろうが、やるべきことは変わらない。ただ、やり方は大きく変わるかもしれない。平成5年に作成された「屋久島憲章」を読み返していて、本質は何も変わらないということにあらためて気付かされました。

【引用】
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条文
1 わたくしたちは、島づくりの指標として、いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような、水環境の保全と創造につとめ、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。

2 わたくしたちは、自然とのかかわりかたを身につけた子供たちが、夢と希望を抱き世界の子供たちにとって憧れであるような豊かな地域社会をつくります。

3 わたくしたちは、歴史と伝統を大切にし、自然資源と環境の恵みを活かし、その価値を損なうことのない、永続できる島づくりを進めます。

4 わたくしたちは、自然と人間が共生する豊かで個性的な情報を提供し、全世界の人々と交流を深めます。

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