自分はきっと死ぬまで煙草を吸い続けるだろう。そして、最後の一服はさぞ感慨深いものとなるだろう。煙に包まれたまま肉体も消失して、周りの人たちがゴホゴホ咳込めば良い。

格好良いと思ったから吸った。高校のとき、部活帰りに駅のホームで拾ったラークを持ち帰り、自部屋で窓を開けてこっそりと火を付けた。ふんふん、なるほど、案外こんなものか、といった感じで、そのまま立て続けに10本吸ったら頭がくらくらとして吐きそうになった。家族に臭いでバレて(家族は全員非喫煙者であった)、怒られた。

暗黒大学では、校舎の屋上に忍び込んで、楽しげな学生たちを見下ろしながらよく吸った。授業をサボって青空の下で吸う煙草は格別で、ただそれだけのことなのに、孤独と青春に甘く浸れた。結局は、楽しいから煙草を吸っているだけの話で、だから、もしも煙草を吸ってみたいという人がいれば、吸ってみれば良いと思う。別に大したものでは無い。これ見れば簡単に吸えるよ。


何もいりません。舞台に来てください。