バンド

自分は今『バンド喫茶』というバンドをしていて、去年に結成したばかりなのだが、曲は12曲ほどあり、今度もまたライヴをする。三人組で、ベースはピン芸人の村橋ステム、ドラムは同級生の檜山まっちょ、私の役割はギターと歌、後は作詞作曲をしている。へえ芸人しながらバンドもやってるんや、なるほどそういうタイプね、なんて馬鹿にしてくる奴がいたら、おれのエピフォンギターでぶん殴ってやる。何故なら自分は漫才を作るのと同様に歌を作り、歌い、ギターを弾いているからで、それは並大抵の人間には出来ぬクリエイティブなことであるからだ。アルバイトをしながら芸人をやっている奴らよりも、よっぽど面白い暮らしではないか。勿論、バンドで金が稼げるわけではないし、むしろ金も時間も減るのだが、それでもバンドをしようと思ったのには理由がある。

中学生になる頃、フォークギターを買ってもらった。日々、コードを押さえる練習をしながら、ゆずなど歌った。そして高校に上がる頃、貯めた小遣いで中古のエレキギターを買い、友達とバンドを組んだ。ジェイエーエスという名だった。自分は、RCサクセションやサザンオールスターズ、エレファントカシマシなどが好きだった。友達の家にたむろして、ギターを弾きながらビートルズを歌ったり、曲を作ったりした。歌詞は、本棚に矢鱈と少女漫画が並んでいたので、そのタイトルを繋ぎ合わせて、「ときめきトゥナイト~ロマンス5段活用~」みたいな感じだった。スタジオで練習しよう、となり、学割の安いところへ行った。爆音で鳴らす音楽はとにかく楽しくて、Aコードを延々鳴らしながら、イエーイ!なんて叫ぶだけで、大満足だった。

初めてのライヴは高一の夏、寺田町にあるファイヤーループというライヴハウスで、今でもそのときのことを覚えている。その頃の自分は部活もしていたし、漫才もやり始めていた。とにかく多忙であった。バンドのライヴは何だかよく分からんかったが、オリジナルを何曲かやり、後はカバーをした。その後も何度かライヴをしたのだが、今思うとふざけた感じのものだったので、ライヴハウスの店長には、コミックバンドやね、と言われた記憶がある。高校卒業とともに自然とバンドも終了した。友達と二人でフォークデュオの「ルンペンズ」というのを結成して、何度かライヴをした。京都の磔磔や、味園ビルにも初めて行った。その頃には曲も全てオリジナルで、今でもはっきり覚えている。バンド喫茶の「笑うな」という歌も、ルンペンズの頃に作ったものだ。20歳のときに、高校のときのバンドでもう一度だけライヴをしよう、となった。ジェイエーエスの思い出ツアーという名前で、大阪名古屋東京でライヴをした。楽しかった。その後、24歳くらいのときに、ルンペンズをバンドにしようとなり、三人引き入れて、ルンペンズ・エレクトリック・ファミリー・バンドという名で、2回ほどライヴをした。その後、自分はそのルンペンズの相棒となる友達と、とある出来事がきっかけで絶縁となり、それからはもう会っていない。そうして、バンド活動はもう辞めにしようと思った。

それから約10年ほど経って、何やらまた音楽をやりたい気持ちになった。ちなみに自分は、歌もギターも上手くない。音程は取れぬし鼻声だし、カラオケの採点では82点くらいしか出ない。けれども、歌を歌うことは好きで、ギターも愛している。30歳を超えて何となく人生を考えたりしたとき、今やりたいことは今やりたい、という阿呆のような結論に至った。そんなわけで、10年ぶりに、試しに春をテーマに歌を作ってみたら、案外楽しかったのである。何だかそれから意欲が湧いてきて、何曲も作った。村橋くんと檜山に声を掛けたら了承してくれて、練習をして、ライヴをした。歌によって、誰かに何かを伝えられるものがあるかもしれない。自分にとっては、漫才もバンドも同じように大切で、どちらも真剣であるし、裏を返せばどちらも遊びのようなものである。この先の行方は分からぬが、とにかく今は、楽しくやっている。

2月17日(金)
@難波Mele
OPEN18:30 START19:00
前売¥2,000 当日¥2,500
【出演】
円盤少女
バンド喫茶
キリングマネーズ
ハグ林
千年メモリーズ

3月18日(土)
@姫路ベータ
OPEN17:00 START17:30
前売¥1,500 当日¥2,000
配信¥2,000 
【出演】
Empty Fish.
バンド喫茶
ぽっぷこーん☆
ミヤギハジメ

何もいりません。舞台に来てください。