夜はやさしい

寒くなって、怖気づいている。足は冷えるし鼻水は止まらない。うだつのあがらぬ暮らしは終わりそうに無くて、それでも前を向いている。冬場にいつも着ていたコートは去年思い切って捨てたので、着る服があらへんやんけ、と思い、箪笥を物色していたところ、古い皺だらけのコートを発見して、様々な記憶が蘇る。あのときぼくはああだった。ストーブの前で震えるだけでは何も面白くないから、何か面白いことを考えてみる。夜に思い付くのは、いつも下品なことやパンクなことばかりだ。こんな自分にも、夜はやさしい。暗闇が孤独を分からせてくれる。そんな目でじろじろ見るなよ。真面目な顔をするなよ。とびきり阿呆なマシンガンで、今にきみを撃ち抜くぞ。

何もいりません。舞台に来てください。