梅雨

梅雨は、何故、梅雨という漢字なのか。何故、梅の雨と書くのか。きみも、変なことを疑問に思うね。私が教えてあげよう、それはね、梅干しを食べると、しばらく舌に酸っぱさが残るでしょう、なかなか止まぬ雨の感じが、それを連想させるじゃない、だから、梅干しを食ったときみたいな雨、と思ったが、多分違う気がするよ。

結局真相は分からずじまいで、けれども、それで良いのだ。もしかすると、グーグル検索すれば、すぐに分かることなのかもしれない。だけど、そんなことはしない。何でもかんでも、オッケーグーグル、ヘイシリ、なんて、つまらない。今は謎のままで良い。この謎を、この無知を、楽しもう。いつか知るときが来るかもしれない。それまでは、何故梅雨って書くのかな、って、ずっと疑問に思っておく。毎年この時期になれば、雨音を聞きながらこの謎を思い出せば良い。ついでに、私のことも思い出してくれ。大丈夫、ひょんなことから(たとえば、たまたま入ったサ店で読んだ新聞のコラムに書いてあるとか、たまたま旅先で訪れた場所が梅雨発祥の地であるとか)何かの折に、知るときが来るだろう。そのときは真っ先にきみに教えてあげるよ。

何もいりません。舞台に来てください。