片耳パンダちゃん

片耳パンダちゃんには左耳しかないので、右から何か言っても聞こえない。ちんちん、とこっそり呟いてもキョトンとしている。片耳パンダちゃんに大切なことを伝えるときは、必ず左側に立って、言うこと。

片耳しか無いけれど、別にどうってこと無い。そんなことは我々にとって何の問題でも無い。見たくないものは見なくて良いし、聞きたくないものは聞かなくて良い。街には狂人たちが溢れていて、そこら中で、目を疑う悲惨な光景や耳をつんざく断末魔が流れている。こっちまで気がおかしくなりそうだ。私は片耳パンダちゃんと共にいるときは必ず左側に立つ。そうして、感謝も愛も冗談も、きちんと言葉にして伝えるようにしている。だから大丈夫。

何もいりません。舞台に来てください。