きみを信じてる

たまに、note読んでるよ、なんて知り合いに言われて気恥ずかしくなることがあるが、インターネット上で公にしているので仕方無い。読まれて困るようなことは一切書いていないので、勿論、誰に読まれようと構わない。これからも、退屈に覆われて死にそうなときにでも、読んでくれ。

ただ、困った読者がたまに存在する。それは、真に受ける人、である。

舞台でも何度か経験したことがある。いつだったか、漫才中のネタで、最近は屁が止まらない、と言ったことがあって、そんな阿呆なことを人前で言う自分も自分だが、舞台後、話し掛けてくれたお客の一人が、お腹大丈夫なんですか、と自分の腹具合を心配してきたのである。勿論自分もこれはお客なりのジョークだと思い、何かええ薬無いですかね、とにこやかに返すと、薬局で聞けば多分そういう薬ありますよ、と真顔で言われて、戦慄した。

この人は自分のことを、屁の止まらない男だと本気で信じ込んでいるのだった。何も言い返せなくなった自分は、いやあ、ははは、とただ苦笑いするしかなかった。引きつった顔の自分を、そのお客は心配そうな顔で見つめていた。この方は屁が止まらないのにも関わらず我慢しながらこうして舞台に立ってさぞ大変ね、とでも言いたげな顔だった。そして一言、憐れな…、と呟いたので、すかさず自分はボディーブローを入れた。お客は倒れ込み、何とか事は済んだのだが、パンチを入れた瞬間、勢い余った拍子にブッと一発かましてしまって、自分はもう何が何やら分からなかった。

人の言葉を信じる、それは本来、素晴らしいことのはずである。しかし、漫才師に対してのそれは、時に相手を辱めて、哀しい気持ちにすら、させてしまう。

というわけで…。

noteに書く自分の文章は、八割くらいがフィクション、脚色、誇張、もしくは虚偽の心情、思いつき、おふざけであり、二割くらいが、本心、真実、であると、改めてここに記しておく。

何もいりません。舞台に来てください。