ちょうど10年前の今日のブログ

2009年3月19日

おれはコンビニで働いているのだが、今日は一人の客について書く。それは、よく店に来る若いヤンキー風の女で、奴はいつもクールブースト5ミリを買うのだが、こっちが優しい笑顔で接客してもブスッとしていて、ありがとうの一つも言わずに帰って行く。なんと愛想の無い奴だろうか。クールブースト5ミリばかり買うので、おれは奴にクールミと名付けた。

クールミはいつも夜になるとやって来た。そのうち、クールミはヤンキー風だが、よく見るとなかなか色っぽいというか、美人な顔つきであることが判明した。ブスッとしているのも、愛想が悪いというよりは、何か悩んでいるような、そんな様子であることが分かった。次第におれはクールミが店に来ることが楽しみになってきて、来たときは、クールミ、元気を出せよ、と心の中で励ましながら接客をしたものよ。

ある夜。クールミはいつものようにやって来たが、横には男がいた。クールミは今までに見せたことのない満面の笑みでクールブースト5ミリを買い、おそらく恋人であろうその男と楽しげに帰って行った。おれはその男に少しばかり嫉妬したが、クールミが幸せそうだったのでひとまず安心した。とはいえ、何とも微妙な心持ちだったことは確かである。

で、今日の話。今日はクールミがなかなか来ないな、と思っていると、クールミの恋人の男がやって来た。おれは目を疑った。男は、クールミではなく、芋みたいな田舎者丸出しの女と二人で来たのである。しかも見る限り、どうやら友達以上の関係のようだ。おれはいけないものを見てしまったような気がしたが、落ち着きはらって奴らに接客をした。しかし段々と腹が立ってきて、貴様にはクールミという女がいるにも関わらず、何と浮気な野郎だ!男にそう言ってやろうかと悩んでいたら、芋みたいな田舎者丸出しの女がぼそりと、クールブースト5ミリ、と言ったのである。おれは呆然とした。芋みたいな田舎者丸出しの女は、スッピンのクールミだったのである。もう一度顔をよく見ると、確かにその女はクールミだった。女は化粧一つで変貌するというが、こうも変わるものか。女って凄いな、と思った。ともかく、クールミよ、貴様はたいした奴だ。自分の男に、芋みたいな田舎者丸出しのスッピンの顔を曝け出すとは。たいした度胸だ。貴様らはきっと良い関係に違いない。クールミ、幸せになれよ!バイ。

何もいりません。舞台に来てください。