舞台

段々と暑くなってきたり、かと思えば夜は肌寒かったり、天災やミサイル色々あるけれど、舞台を見に来てくれることが一番嬉しい。仕事も学業も私用も、色々あるだろう。そりゃ人によって、つまらない苛立ちや無性に身体が怠いこともあるだろう。多分きっと、生活とは本来そういうものだと思う。健康的にハッピーな暮らしを送ることが如何に難易度の高いことか、自分にもよく分かる。だから、そんな日常の延長において、舞台を見に行く、という選択をスケジュールに入れてくれることが嬉しい。簡単なことではないからだ。家を出て、会場まで出向いて、入場料を払って、人混みに入って…、それは案外面倒臭いことだし、それなりの体力と気力が必要で、布団に寝転んでスマホで動画を見るのとはまるで訳が違う。舞台を見に行くという行為は、主体性を持ったアクティブな行為であり、そして、義務でも何でも無い行為である。だから、そうした行為の対象に自分が選ばれることが嬉しい。勿論都合が悪くて、また、遠方だったり金が無かったりで断念している人がいることも自分は理解している。それに、今まで見に来てくれていた人がある日突然パッタリと来なくなる、そんな寂しさも、過去に何度も経験している。だから、本当の本当は、集客数なんてどうでも良いとさえ思っている。時折、いつか舞台を見に行きたいです!とメッセージをくれる人がいて、そんなあなたとは、いつかどっかで会えるような気がしている。一期一会で構わない。別にこちらはただ演り続けるだけなので、都合が上手く合えば、そのとき勝手に来れば良い。無闇に期待はせず、客席で何となくワクワクしてくれたら、それで良い。後はただこちらの全てを受け取ってくれたら、で、もしも共鳴出来たら、何より。自分は舞台が好きで、理由はずっと変わらない。他に無いロマンチックが宿っているから。

何もいりません。舞台に来てください。