彼女たちの笑い

もうすぐ、女芸人ナンバーワン決定戦The Wという大会の決勝戦に、知り合いの芸人が2組出る。これは、とてつもなく凄いことであり、また、嬉しいことである。こうした賞レース関係では負けまくりの我々からすれば、何というか、感服の一言に尽きる。世間の人は知らぬかもしれないが、M-1にしろR-1にしろ、賞レースの決勝に出場するというのは、並大抵のことで無い。地獄のような予選を勝ち抜いてきた、とんでもない猛者揃いなのである。

知り合いの2組は「オダウエダ」というコント師と「にぼしいわし」という漫才師、どちらも、文句無しに面白い。ちゃんと面白い人たちが評価されている。素晴らしいことだ。自分も面白いことを続けようと思う。

オダウエダは、とにかく笑える、面白いコントをする。以前ツーマンライヴをしたときは、はっきり我々の完敗、というか、全部持っていかれたのを覚えている。普段は二人とも純粋無垢な可愛らしい女子なのだが、舞台に立つと、まるで日本刀を握り締めて赤ら顔で仁王立ちしているような風格がある。にぼしいわしは、何年か前のM-1の3回戦で初めて見た。アマチュアとして出場していた彼女たちを袖で見た自分は、お、と思った。その後エレベーターで偶然一緒になったので、漫才面白かったです…と小声で話し掛けた。相当怪しかったと思う。それから何度か共演もした。こちらもやはり普段は物腰の柔らかい二人なのだが、舞台に立つと、飄々とふざけてばかりいる。

男だろうと女だろうと、若かろうと老いてようと、面白い奴は面白い。だから、自分は女芸人ナンバーワンなどというコンセプトにはそれほど興味が無い。この2組などは特に、性別などお構い無しに、ただ面白いネタを演るから良い。女性ということを、メリットにもデメリットにもしていないのだ。これが本物の芸人というやつかもしれぬ。The Wは、今年で確か3回目か4回目なのだが、実は自分は一度も見たことが無い。しかし今回の決勝のメンツを見ると、芯から面白い芸人が勝ち上がってきたのだと思う。今年はテレビの前で、彼女たちの笑いを見よう!

何もいりません。舞台に来てください。