単独ライヴをやります

夏に単独ライヴをやります。

大阪でやるのは一年半ぶりだろうか。前回の単独ライヴは「テンデイズショー」と題して、10日間続けて合計30本の漫才をした。阿呆なのか。今回の場所は、十三にあるシアターセブン。こちらの意思を汲み取ってくれる、何とも素晴らしい劇場である。この劇場で単独ライヴをやれることが嬉しい。

今までの単独ライヴのように、また、よくある漫才師の単独ライヴのように、何本か漫才を披露しつつ途中で企画をやる、といった構成に自分は飽き飽きしてしまった。ライヴを作る上で、構成というものは非常に大切で、理にかなった構成のライヴは、お客も見やすい上に、分かりやすく面白い、伝わりやすい、ウケやすい、といったメリットがある。やすいだらけではないか。けれども、単独ライヴである。もう少しふざけちゃっても良いのではないか。やすくない感じでいこう。

そもそも単独ライヴというのは、他に出演者もいないので、何をどうやっても誰に怒られる心配も無い。好き勝手にやれば良い。瞬間のロマンを爆発させて、泡となり、さらばと消えよう。何をやっても良い、ということは、極論、漫才をしなくても良いわけで、するもしないもこちらの自由である(多分する)。イメージの奥底へと沈んで、今までに無い何かを探しに行けば良い。たとえお客がうんざりしても構わない。敵は自分自身だ。

と、偉そうなことを言っても、今のところ、観覧予約はほとんど来ていない。そろそろちゃんと、宣伝せにゃならん。不人気ぶりには情けなくなる一方だが、全然構わない。当日は、死ぬほど愉快な舞台を、死ぬほど堪能するつもりだ。

独り言のように曖昧に発せられた微かなイメージたち、それらは蝶々のように頭の周りを飛んでいて、傍から見れば自分はお花畑人間である。ちょうど一ヶ月後。季節は盆。夏休み。労働者や学生の暇つぶしにはもってこい。けれども、真夏への嫌悪は拭えない。この汗臭い季節は、いつまで経っても好きになれぬ。昔ならばきっと、暑さを蹴散らす涼しい笑顔を求めたはずだが、それなりに歳も重ねた自分としては、寝苦しい夜中のべとべとに溶けた寝顔の笑顔、というイメージで。あなたを、そういう顔にさせます。

何もいりません。舞台に来てください。