足裏地獄

末端冷え性の自分は、冬場になると足の裏が氷のように冷たくなる。寝る前になればストーブなどで温めるがそれでもなかなか辛い。自分は、冷えた足を持ってしまったのも神から与えられた試練だと思い、ジーザス・クライストは暗い人、と言いながら足裏を揉み揉み、冬を越した。詳しくは、
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近頃は真夏の如き暑さで、空には快活な太陽が鎮座している。我ら下等民は足に巻き付けられた鎖と鉄球を引き摺りながら、熱中症の日々を過ごしている。ともかく、暖を取る必要は全く無い。自分も、不要になったストーブは解体して猫よけに使っているし、毛布ももう不要であるため、カシミヤセーターとともに全て燃やした。今は、暖よりも冷である。金よりも麦である。うだるような暑さの中、コールドスプレーやアイスノンで身体を冷やして冷却補給している人も多いだろう。我ら下等民は、冷たさを求めて汗だくで行進している。

その点おれにはヨ、末端冷え性があるからヨ、夏場は専ら足裏冷却補給ってわけ。足裏を額にあてりゃあ、たちまちアイスノンさながらってわけ。下等民の皆さんさようなら、ぼくはネクストステージで待ってます。と言いたいところだが、不思議なことに、冬場あれだけ冷たかった足裏が、今の時期は、なぜか全く冷たくないのである。というか、むしろ、熱を帯びて異様に熱い。夜になれば、足裏の熱さで眠れないほどにジュンジュン熱くなっている。一体どういうことなのか。原因は不明だが、とにかく足裏が熱くて眠れない、仕方が無いから氷枕をあてがって、何とか足裏を冷却しながら寝る始末。

暴虐無尽な主の裁き。天の邪鬼にもほどがある。冬場は末端冷え性で、夏場は末端熱つ性か?ふざけるな。ひえしょうかあつしょうか知らんが、畜生!と叫びたい。叫ぶよ。常温足裏人間に生まれたかったと、逆温足裏人間は心から泣いた。己の身体を呪いながら、あぁ、いっそのこと、足裏をスライスして削ぎ落としてしまいたい、と思った。

サッと裂いたらサッとめくれて、案外綺麗な透明感の薄皮は、台湾の珍味のような臭いと味がした。酢醤油で食べればもっと美味いかもしれない。そんなことより、この血まみれの足裏をどうするか。激痛が止まらない。寝ることはおろか、歩くことも出来ないし、生きることさえ苦しい。ふんだりけったりとはこのことだ。足だけに。いちいち言わすなよ。

何もいりません。舞台に来てください。