ユーヘイトミー

人に嫌われるということは、人に好かれるのと同じくらいに大切なことではないかと思う。基本的には誰しも他人に好かれたいという気持ちをどこかしらに持っていて、そら、嫌われるよりも好かれた方が良いわな、それは当たり前のこと、けれども好かれることと嫌われないことは、似ているようで異なるものである。

あなたに嫌われることが怖い故に、あなたに嫌われないための行動を取る。それらは総じてつまらない、素直とは正反対に位置する、猫っかぶり、不純なるやさしさ、偽善的な親切、能面の笑顔、であり、また、LOVEとは程遠い粘土細工の情、書き割りの空、トタン精神、だ。これらの行動が世の中には蔓延していて、職場の人間関係ならまだしも、友人関係や男女関係でもつい当たり障りの無いコミニュケーションを本能的に取ってしまう。好かれたいのならば、嫌われる覚悟で猛進した方が結果的に縁を結ぶことも多々ある。まあ覚悟まで持たなくとも、相手に嫌われる余裕くらいは持っておいた方が良い。それに、人は人をそんな簡単には嫌わないし、また、嫌うときは何をしていても嫌うので、ユーヘイトミーに関しては、これはもう仕方無いことなのである。

見れば案外気付くもので、あぁ、この人はきっと嫌われたくないのだろうな、というのが言葉や表情に滲み出てしまっていて、その愛想が不憫に見える。私は素直な人を見ると、いつもときめく。そういう人は大抵、無理に笑うことをせず、その場を和ませることもせず、嬉しいときは嬉しそうに、寂しいときは寂しそうに、ムカつくときはムカついた言動を取る。あなたはどうですか。

何もいりません。舞台に来てください。