もてるための方法

自分の人生を思い返す。もう少し、もてたかったな、と思う。もしも、もてていれば、きっと、もっと、華やかな人生になってnoteなんてやらなかっただろう。けれども、それはパラレルワールドのお話で、現実、自分はもてなかった。これからも、大してもてることは無いだろうと思う。過去、自分に惚れたであろう女性も何人かはいたけれど、皆、どちらかというと少数派の特殊訓練隊みたいな人たちばかりだった。そもそも、30歳で、漫才師で、汚いサ店やってる奴など、もてる要素が皆無である。とびきりイケメンならばもてるかもしれんが、自分は顔面も中の下の中である。金も無い。筋力も無い。

ならばもてることを諦めたのかというと、やはり諦めきれない。出来ることなら、ほんの少しでいいから、もてたいと思っている。高望みは一切していないが、出来ることなら、可愛らしい女性に、惚れました、と言われたい。一晩中思い悩んでいたら、明け方、カラスがカァ、なんとなく道が開けるような気がした。

世の中、ギブアンドテイクなんですよ。何かを与えなければ、何も与えられない。世知辛い世の中です。つまり自分はもてたい。もてたい。もてたい。そればかりでは、もてません。つまり、可愛らしい女性にもてるためには、可愛らしい女性側にも何かメリットが無いと駄目なのではないか。相手にも何か差し上げないといけないのではないか。といっても、はいクッキー、とクッキーをあげたところで、きゃあクッキーだぁ、あなた大好きぃ、なんてことにはならん。そんな女は赤ちゃん猿だ。もっと、己にしか無いもの。己ならではのもの。それを与えることで、もてる確率は一気にあがるのである。

さて、自分にはこれといった長所もアピールポイントも無いけれど、しいて言うなら、尻が柔らかい、くらいのもので、これを使わない手はない。可愛らしい女性にもてるために、自分はこれから、女性たちに尻を触らせようと思う。

自分の尻を触った女性は、こんなおしりの柔らかい男性はきっと優しくて包容力のある穏やかな人に違いない、と思い、それは恋心へと変わり、そして自分に惚れる。問題はどうやって触らせるか?である。尻触ってくれませんか、なんて女性に言えば、その時点でハラスメント、怪訝な顔で通報されて、最悪牢屋行きになる。常識人のジェントルマンな自分は、女性にそんなことはしない。では、往来で尻を突き出しておけば、そのうち誰か触ってくれるのではないか。鬼ギャルに、てめえ尻突き出してんじゃねえ、と蹴られるだろうか。それはそれで興奮するかもしれないが、そういう話ではない。そもそも往来で尻を突き出すのも牢屋行きになる可能性がある。やっぱりね、舞台ですよ。舞台というのは何事にも束縛されぬ自由な場所です。そういうライヴをするしかない。舞台上、尻を突き出した自分。観客が好きなタイミングで尻を触る。この人イイな、と思ったら、連絡先などを紙に書く。やっぱりやめておこう。そんなライヴに来る観客は、頭が狂っているから。

もてることを諦めて、舞台に立つか。そのうち誰かがきっと、分かってくれるはずさ。

何もいりません。舞台に来てください。