そのうち珈琲

そのうち落ち着いたら、また珈琲でも飲みに行きましょう。どこのサ店でも良いけれど、出来れば場末の、空いてそうな店が良い。別に、無理矢理に話題など探さずに、美味くもない珈琲を啜り、時折きみの顔をちらっと見たら、何となく不機嫌そうな、それでいて寂しそうな顔をしているから、ア、もしかしておもんないんかな、と思って、ドギマギしたい。そのときは私も不機嫌な顔つきで煙草をふかすので、きみも心の中で、ア、もしかしておもんないかな、とドギマギしてくれれば良い。二人はいつもあんぽんたんな暮らし、大切なことを上手く言葉に出来なくて、浅はかな、その場しのぎの冗談を言い合っては互いを慰めてばかりいる。だから、いつでも良いけれど、そのうち(なんて言っているから駄目なのだろう)、珈琲でも。

何もいりません。舞台に来てください。