誰か

気持ちに偽り無く、ただ、ひたむきに誰かを想う。

素晴らしいことじゃん、とヘソ出しギャルは言うけれど、これはこれで結構辛いものがある。誰かを真っ直ぐに想い続けることは、時に苦しいのだ。それは祈りのようなものかもしれぬ。我々は誰かに想いを馳せながら、胸を躍らせたり、溜息をついたり、涙を流したりする。

有象無象の顔たちにはぼんやりとモヤが掛かっていて、その中にひとつだけくっきりと見える顔がある。あぁ、死にたいアイツに教えてやりたい。一番の誰かを想えば良い、と。そしたら余計に死にたくなりますか。もう少しだけ生きられるような気が、しませんか。

自分は、まるで泥亀のように汚いところを這っていて、本当は素敵な言葉を話したい、でもすぐにお尻を出してしまうから、とてもじゃないけど世間には出ていけない。それでも誰かのナンバーワンになれたら幸せだろうと思う。やっぱり、一番の男になりたい。赤面上等、何ともキザな話だが、それ以外に無いのである。きっとあなたもそうだろう。もしも誰かに「あなたが一番です」と言われたら(キモい奴に言われてもキモいだけじゃん!とヘソ出しギャルが茶々を入れる)、もしくは想われたら、救われる気がして、生きていて良かったとすら思うかもしれない。誰かの言葉や想いは、それほどのパワーを持つ。だから自分は、感じたことを出来るだけ言葉にして、きみに伝えたいと思う。

いずれ、思いも寄らぬ革命が起きて、皆が誰かと出会えるようになれば良いね。冬が来ます。

何もいりません。舞台に来てください。