はッ

テレビ画面の向こうで歌い踊る爽やかなジャニーズたちを腑抜けを極めた爺の如き顔面でぼんやり見つめているうちに、年が明けた。

もう少し極めよう、と思ってさらに腑抜けて、昼と夜が逆転していることにも気付かず、徘徊したり小便したり、眠たいときは寝て、腹が減ったら飯を食って、歌い踊ることも無く、へらへらと天国に堕落している内に、はッと気が付いたら、一月二日になっていた。つくづく私はコアラ人間だ、と思った。

慌てて自分の経営するライヴ喫茶に向かい、大掃除をぶちかました。今年一年分ほど働いた気分である。安心して、再び、腑抜けに戻る。今、目の前に餅があれば、きっと食べる。外は寒いはずだから、もう少しストーブに当たりながら、じいっとしていよう。

何もいりません。舞台に来てください。