珈琲貴族エジンバラ

東京へライヴに行った際、大抵自分はどこへも遊びに行く気になれず、東京タワーも上野動物園も行ったことが無い。行くとすれば喫茶店くらいのものである。東京の喫茶店の特徴として、基本的に値段が高い。珈琲600円なら安い方で、1000円取る店も平気で存在する。阿呆かと思うが、家賃相場など考えれば仕方無い。後は、都心の喫茶店はどこもいっぱいで、ドトールの店先に人が並んでいたりする。阿呆かと思う。禁煙の店が多いのは、今や東京に限ったことではない。

新宿で何となく記憶にあるサ店としては、「ピース」「らんぶる」「楽屋」「タイムス」あたりで、「らんぶる」などは激渋で素晴らしかったが今は禁煙なのでそこまで行く気になれない。「タイムス」は程良く落ち着いたサ店で、煙草も吸えるので有り難かった。

「珈琲貴族エジンバラ」はそれなりに広い店で、100席ほどあるだろうか、何人かいる店員が皆執事のようで凄い。接客が完璧すぎて笑える。喫煙席に座ったものの煙草をちょうど切らしていたので、「すんません荷物置いとくんで煙草買いに行ってきて良いですか」と頼むと、髪を後ろ括りにして白シャツにチョッキを着た男の店員は「ちなみに銘柄は何でございましょうか」と重低音で言い、ハイライトと伝えると「青パッケージのハイライトですね。ひょっとすると…少々お待ちください」と奥へ引っ込み、ハイライトを持ってきてくれた。これには自分も驚いた。昔はサ店に煙草がいくつか常備されていることもあったらしいが、最近ではまず聞かない。ここには本棚もあり、SFマガジンやレコードマガジンの他、文庫本や販売している古本などもある。Wi-Fiもある。珈琲はサイフォンドリップで、上品に味わえば貴族気分だ。そんな店なのだが、何と24時間営業している。阿呆か。珈琲は1000円。

何もいりません。舞台に来てください。