8月18日『にぼいわ寄席』『心臓夏ライブ』と『寓話』の感想

中央会館にて、にぼしいわし主催ライヴにふたつ出演した。呼んでもらえることは嬉しい。真っ昼間から漫才、漫才。出番以外は客席後方で他の人らのネタを見る。昨日に引き続き、ネタまみれの時間を過ごす。『心臓夏ライブ』って、とっても良いタイトルだと思った!合間は会場の外に出て煙草、中に入って涼む、を延々と繰り返した。

夜は、にぼしいわし単独『寓話』を見学させてもらった。ちょっと偉そうに感想を…。本人にも、感想書きますとだけ伝えました。東京公演も控えているので、そちらに行く人は、今は読まなくて良いかもしれません。観覧した人にだけ分かるような、また、行かなかった人が行けば良かった…と思うような、そんな曖昧な感想を書いてみます。


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単独ライヴというのは、自分も何度もしているから分かるけれど、そのとき、その時点での、思いやイメージが真っ直ぐ現れる。エンディングでいわしも言っていたように、今の彼女たちの心模様が真っ直ぐ現れているような単独だった。自分は、それはとても良いことだと思っていて、特に単独ライヴというのは、ウケるとかウケないとか、そういうところから解き放たれた、自分たちだけの笑いの表現をする場であって欲しい。音楽や映像を含めた演出、構成、全ての部分に意思が詰め込まれた『寓話』は、しっかりと伝わるものになっていたし、その見せ方は独特かつ分かりやすくて、彼女たちにしか出来ないライヴだったと思う。

日常をただ穏やかに楽しく暮らしたいだけなのに、何故かうまくいかない。誰かのせいにするのは簡単だけど、俯瞰で見てみたら、ああやっぱりあれもこれも自分のせいなのかな、って思っちゃう。悲劇だけでなく本当はもっと些細な思いつきや幸運にもスポットを当てたいけれど、結局思い出すのは、やりきれなさ、寂しさ、悔しさ、ばかりで、ぞろぞろと溢れるから、だから全部漫才にしちゃって、言いたいこともフィクションの中に詰め込んで、綺麗に笑いで昇華出来たらいいのに。エンタメ!喜劇!って感じでへらへら出来たらいいのに。だけど漫才をしていても、自分たちには見えない傷が、少しずつ溜まっていく。傷だらけになりながら、心の奥底に眠ってるような言葉をわざわざ掘り起こして、やがて傷は観客にも向けられる。舞台上と客席、その場にいる全員の、どうしようもない傷が浮かび上がっていく。

自分は見ながら、にぼしもいわしもとりあえず温泉とか行ってゆっくりして欲しいな、と思った。でも、温泉では癒せない何かがあるから、舞台に立つんだろうな、とも思った。これ最後は最悪なバッドエンドになるのか、それともひっくり返してハッピーエンドになるのか、どうなるんやろって思いながら見ていた。多分どっちに転ばすのも容易だったはずで、そうしなかったのは凄い。ラストは皆に真っ直ぐ突き刺さったと思う。とっても素直な、そして愚直な単独ライヴでした。


何もいりません。舞台に来てください。