第3回筆談ラジオ

あなたの鎖骨にフレンチ・キス。ヤング嶋仲の筆談ラジオでございます。この番組はnoteを通じてあなたの目に話しかけるラジオです。一度書いたものは消さずに、そのまま話し書くようにパソコンで文字を打っています。

前回は愚痴のようなものを殴り書きしました。書き殴りました。少し嫌な感じの文章だったかもしれませんが、私はまったく反省していません。もしあれを見て、この人怒ってはるわ、なんかイラついてはるわ、と思ったのなら、それは大きな間違いです。私は何も思っておりませんし、あなたがたに対しても、憎悪などは一切ありません。ただ構ってほしかったので、ツンデレじみたことをしたまでです。実は、noteを辞める気などは、今のところ、一切ありません。なぜなら、このnoteは、別にあなたのためでは無く、ただの私のちょっとした暇潰し、ほんの遊び心と、それに、もしかすると読者が舞台を見に来るかもしれない、という宣伝の気持ちでやっているだけなのです。後は、しいて言うなら、遠くの国でへなへなと絵を描いている天使のために、こっそりと書いています。

というわけで、泣きそうになる歌のコーナー。今夜の一曲目は、フィッシュマンズで「頼りない天使」。

お聴き頂いたのはフィッシュマンズの「頼りない天使」でした。特にこのライヴ・バージョンが好きです。もう見れませんが、一度は生で見たかったです。きっと感涙したでしょう。私はきみの天使になれるでしょうか。

それではここで、お便りを紹介します。テーマは「私の初体験」です。前回、お便りが来ないことを愚痴ったら、なんと今回は4通も来ました。あなたたちの、浅はかな意思を、私はしかと受け取りました。しかし残念ながら、「私の初体験」というテーマなのに、誰一人、童貞もしくは処女を失ったときのエピソードを書いてきませんでした。初めてのセックスにおけるドキドキや、ゾワゾワを、もしくは未経験の人による羨望を、不安を、妄想を、私は読みたかったのです。読者の感性を疑います。それでも、お便りを送ってくれたこと、心より感謝します。

「一度だけ、CMのエキストラに出たことがある(人手が足りず呼ばれた)。多少動きの指示があり、分からないなりに一生懸命やったが、後で一緒に行った後輩から「〇〇さん、動きが少し変ですね」と言われ、しばらくテレビで流れるたび嫌だった。学生時代のなつかしい思い出。非日常で面白かったが、CMはそれきり。」

ペンネーム、おべんとうさんからのお便りでした。これは初体験というより、一度きりの体験、といった感じですね。テレビの画面に自分の姿が映るのが嫌だ、という人は結構多いと思います。私もどちらかというと、嫌です。自分の姿というのは傍から見るとどうしても気持ち悪く見えるものです。けれども中には、テレビ中継の後ろでピースするような(最近はあまりいないかもしれませんが)、そういう映りたがりの人もいます。そういう人とは、仲良く出来る気がしません。CMに出演するなんてなかなか出来ない体験だと思うので、今はもう放映されていないなら、おべんとうさんもいつか孫に「わたしは昔CMに出ていたのだよ」と自慢出来るかもしれませんね。おべんとうさん、ありがとうございました。最近、おべんとう作っていません。

「ほやほやの初体験を投稿します。数日前に生まれて初めて退職届を出しました。
対人トラブルをきっかけに決意した退職ですが、先週以前は辞めることなんて考えていなくて、なんなら3年後10年後の働き方もぼんやり考えていたような会社なので全く辛いです。
退職を自分で決めたくせに引継ぎ資料を作りながら「御社のこと好きだったな、、なんならまだ好きだわ、、いやもう貴社か、、」と泣き暮らす女々しい毎日です。
心の動きはほぼほぼ失恋と同じです。
相談です。4月に昇進したところだったので刷りたての名刺が三箱ほど手元に残っています。良い手放し方を考えてください。」

こちら、ペンネームはありませんでしたので、「退職定食さん(仮名)」と勝手に名付けます。退職を失恋のように捉えるということは、よっぽど前職への想いがあったのだと思います。それでも、対人トラブルが原因で辞めてしまう。このことから分かるように、他人とのコミニュケーション(コミュニケーション?)や組織内の人間関係という問題は、日常においてとても比重の高いものだと考えられます。気の合わない人とどう上手くやっていくか、これは永遠のテーマなのかもしれません。ちなみに私は、大切な人を大切にして、ムカつく人を排除しながら生きていく、と、そういう思いで仕事をしています。刷りたての名刺は、そもそも手放す必要があるのか、と思いますが、思い出として残すには三箱は多いような気もします。何枚かは幻の名刺として手元に置いておくとしても、残りの処分方法は難しいですね。退職定食(仮名)さんがもしアウトドア派ならば、花火やキャンプファイヤーの季節ですから、そのときに一緒に燃やすとか、退職定食(仮名)さんがもしインドア派ならば、バナナを立てて少し離れたところから名刺を投げて斬る格好良いやつ、を三箱以内に習得するとか、後は辞めた職場に着払いで郵送するとか、一番現実的なのはシュレッダーに入れて燃えるゴミで出すのが良いと思います。

「何か記憶に残るような「初体験」は無かったかと一所懸命考えましたが、一つも浮かびませんでした。具合が悪くなるくらい考えましたが無かったです。
「初体験」と聞くと、何やら大事っぽいなと思っていましたが、案外そうでもないのかもしれません。」

ペンネーム、未来人の骨格さん。これはなかなか良い話だと思います。初体験と聞くと大事っぽいなと思うけど、案外そうでもない。もしかしたら、その通りかもしれません。ここで私の初体験の話を書きます。18歳のときに、一個上か二個上の女の子とやりましたが、それはもう記憶から消えそうなほど、何の面白みも、感慨も無い、あっけないものでした。私は彼女のことを好きでも無く、向こうはこちらを好いていたのかもしれませんが、付き合ってもいませんでしたし、また、彼女は顔も大して可愛くなく、性格も悪くて、つまらない人でした。今となっては、名前すら思い出せないのです。その子の家にいたのですが、全然上手くいかず、あそこもネズミの死骸のような腐臭がして、何だか嫌な気持ちになった私は、一度挿入してみたものの、妙に冷めてしまい、行為の途中で萎えたのを良いことに、ごめん帰るわ、と言い、そのまま服を着て家に帰りました。それから音沙汰もありません。初体験は散々なものでした。だからといって、後悔もしていないのです。初めてだとか、二回目だとか、そんなことより、毎回が初めてのような、いつも新鮮な気持ちで生きていきたいものです。未来人の骨格さん、具合は大丈夫でしょうか。無いものを必死になって考えてくれた、そのお気持ちが嬉しいです。一生懸命ではなく、一所懸命、というところが、何か良いなと思いました。

「こんばんは。
私の初体験
はじめての一人旅。
二十代前半のまだ何も知らなかった頃。
青春18切符を使って倉敷へ一人旅。美観地区を散策して大原美術館を見学して夜はユースホステルに泊まった。特別なことは何も起こらずユースホステルでは広島から来た大学生(女)と仲良くなり喋るけど只それだけ。翌日は一人で広島の三次に行き散策して終わり。出会い期待してたけど一人は楽しくないなと感じて終わった。一人旅の初体験。その後も何度か一人で旅したけれどいつも何も起こらなかった。大人になった気がしただけ。今はずっと二人なので、今度一人旅行ってみようかな?」

ペンネーム、イペコさんのお便りでした。おそらくイペコさんは、初めての一人旅に特別な感動を期待しすぎたあまり、何も無くてがっかりしたのでしょう。先ほどの未来人の骨格さんの言うように、やはり初体験は大事でもないことなのです。それでもお便りを見る限り、細かく旅の行先などを記憶しておられるようなので、イペコさんの中ではひとつの思い出として残っているようです。一人旅については、私もしましたから、色々と思うことはありますが、ひとつは、出会いに期待してはいけない、ということです。一人を如何に楽しむか、一人で考え一人で動くことの面白さのみを追求した方が、一人旅は輝きます。今はずっと二人、だそうなので、たまにはひとりぼっちになるのも良いかもしれません。あえてひとりぼっちになることで、より、ふたりぼっちの大切さに気付くこともあるでしょう。ふたりぼっち。うまく「頼りない天使」に戻ったところで、以上、お便りのコーナーででした。


お便り、来て、嬉しいです。送ってくれた人には心を込めてありがとう。送ってくれなかった人には心あらずのふざけんな。これからもどしどし送ってください。宛先は foolsyoung@gmail.com まで。件名に「筆談ラジオ」、ペンネームを添えて送ってください。採用された方には番組特製下敷き(年内には作ります)をプレゼント。これ、作ったところでどうやってプレゼントすれば良いのか分かりませんが、また追々考えます。次回のテーマは「たまに見る悪夢」です。

では、ここでなぞなぞを一問。「道端に凍えてうずくまるアイヌ人がいました。服を脱がすと、いったい何を持っていたでしょう?」

真夏の暑さにやられそうな毎日ですが、皆さんも、体には気を付けて、どうか、くれぐれも、無茶せぬよう。最後は私の好きな夏の歌で、お別れです。この歌聴いて、夏を乗り切りましょう。さようなら。


何もいりません。舞台に来てください。