タン

どうしようも無い人。雨に濡れて、いつまでも乾くことの無い人。夜は長いようで、短い。いつの間にか朝になり、あぁ、またもや蠢く無数の邪念。頭と首と眼と脳が痛いから、全部吐き出して、布団でふて寝。ナポリタンの、タン、が可愛い。マルゲリータの、リータ、が可愛い。枕を裏返すと悪魔がいた。こんな茶番をいつまで続けるつもりだ。窓の向こうで悶える羽虫。こっちにおいで。気まぐれな阿呆のささやき。生真面目な天使の純情。あれもこれも捨てて、遠い国で休もうや。言葉の風呂に浸かり、息を吸い込んだ。痰を吐くように、つまらない言葉を吐く。全部流そうと思う。星くずが浮かぶ夜空の下で、孤独な馬が吠えている。この背中に乗ってくれませんか。誰も乗らねーよ。

何もいりません。舞台に来てください。