呆然の春

何となく薄暗くて、じめじめとしている。特別新しい気持ちになることも無く、いつの間にか新学期も始まった。うららかに暮らせれば良いが、そう簡単にもいかず、自分は散らかった部屋でちんすこうを食べている。目ヤニそのままで街へ出れば、通り過ぎる人たちの頭上それぞれに灰色のもやもやが浮かんでいる。財布を忘れた。呆然の春。なんか、いろいろ、あんまやから、帰る。みんなはどうかな。

放ったらしにされたぬいぐるみが天井を睨んでいる。壁の落書きが微笑んでいる。箱に仕舞われた手紙たちから、やさしさが溢れている。私は別にやさしくされたいわけではない。心配など、もっとされたくない。分かるかい?愛はもっと大きな、強大な力、パワーだということを。それは、とびきり甘いチョコレートを貪るような、心臓を素手でガッと掴むような、ついでにおっぱいも揉むような、そんな揺るぎの無いものだ。真剣を真っ直ぐに貫きたいよね。なりふり構わず!って感じで。呆然としてたら春なんて一瞬で過ぎる。刀を握ろう。だけどやっぱり首とか痛いし、あんまなので、今日は横になる。

何もいりません。舞台に来てください。