バンジージャンプを引き止める

「とある芸人が多額の借金をしていて、その禊にバンジージャンプをするというテレビの企画があり、自分はその見届け人として出演することになった。その芸人とは、会ったことはあるけど喋ったことは殆ど無くて、何故自分が選ばれたのかよく分からない。バンジージャンプで借金が無くなるわけでも無いから、企画としてもよく分からない。本番前にプロデューサーに呼び出される。実はこれはテレビの企画では無くて、奴の借金があまりに膨らんだため死をもって償いをしてもらうのだ、バンジーのロープは外れるようになっている、彼には決して言わぬように、と言われる。プロデューサーの顔は日焼けしていて、ぬめぬめで気持ち悪かった。

撮影が始まった。といっても、実際に撮影しているかは分からぬ。崖の上、自分は彼の耳元で、絶対飛ぶな、死ぬぞ、ここだけの話、ロープが外れてるらしい、と言う。彼は怯える演技をしながら、…はい、知ってます。でも飛びます。ぼくが悪いんで。それに、ぼくは芸人なんで。と、訳の分からぬことを言う。異常な汗をかいて、パニックになっているようだ。そうしてカウントダウンが始まり、飛び降りようとする彼を自分は必死で引き止める。両手で彼の身体を掴んで、あかんあかんなどと叫びながら、このままでは自分も一緒に落ちるかもしらん、と思う。というか、何故そこまで面識も無い奴のために自分がこんな目に合わなきゃならんのだ。死ぬなら勝手にどっかで死んでくれ!

そのとき、チャッチャチャーン、ドッキリでした〜とプロデューサーに言われて、全ては自分への仕掛けだったことを知る。なんや。嘘か。っていうか話が複雑でよく分からん。芸人の彼もどこか安堵した顔をしている。プロデューサーはぬめぬめの顔を自分に近付けて、笑いながら言う。ははは。お見事でした。でも、これテレビじゃないんだよ。ほら、ロープは本当に外れてる。つまりきみが助けなかったら彼は本当に死んでいた。ははは。ドッキリしただろう?」

夢に出てきた芸人は、先日『ヤングVSにぼしいわし』のときに会った人なのだが、何故こんな夢に現れたのか、分からない。

何もいりません。舞台に来てください。