自分の素顔というのは果たして何なのか。あなたにもきっとあるだろう、まだ見ぬ素顔、裏の顔。自分は時折他人から、やさしい、などと評されることがあるが、果たしてどうだろうか。やさしさについてはいつも考えているが、やさしいのかどうかは分からない。好きな人には出来るだけ幸せになって欲しいから、そら、やさしくもするだろう。反面、自分はなかなかに邪悪で嫌味な顔も持っていて、相手によっては非常に冷酷な態度で接する。完全なるエコ贔屓!ムカつく相手には正論地味た言い回しでありとあらゆる罵詈雑言を言い続けることもある。それゆえ、相手の心をいたく傷付けてしまい、後になって少しの反省をするが、それほどムカついたのだから仕方無い、と自分を正当化して、悪魔の笑いを浮かべていたりする。つまり、結構、嫌な奴なのだ。

天使にもきっとダークサイドはあるだろう。自分の知らない天使の素顔を、自分は別段知りたいとは思わない。むしろ、いつまでも、今だけは、天使の顔でいてくれれば良い。たとえそれが愛想だとしても構わない。名前も知らぬ天使がくれた手紙には素敵な言葉が並んでいて、すぐさま返事を書いたが渡せず終い、あれは、もうどこかへ帰ってしまったのだろうか。

人は時に、とても哀しい顔を他人に晒す。

誰かと誰かが笑っているとき、その裏では誰かが涙顔になっていることもある。

怒りで満タンの顔を見ると、自分は思わず笑ってしまう。

眠たい顔の女性は、美しい。

朝起きてすぐ、鏡に映る自分の顔はあまりに汚いブスで、面白い。

ところで、また、巨大な台風が近付いているという。いい加減、全て吹き飛ばしてもらえないかと思う。

何もいりません。舞台に来てください。