紙屑

とにかくここ最近は寒すぎて、頭がおかしくなりそうだ。外に出るのも億劫で、茶を沸かすこともままならない。厚着をすれば良いのだが、衣替えすら面倒臭くて、冬服は箪笥の奥でカビている。昼間は布団から出られず気が付けば夕方、という塩梅で、日々をしっかりと無駄に過ごしている。昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういうわけだ?

夜中から朝にかけて、ずっと考え事をしている。誰にも知られたくない、けれども、こっそり知らせたい、素敵なこと、そして、自分にはもう少しだけやりたいことがある。ポケットにぱんぱんに詰め込んだ紙屑。所詮は紙屑であるのに、大切そうに持っている。全部ばら撒こうか。風に飛ばそうか。そんなことよりお前、冬休みの宿題は終わったのか。現実を見つめず、どこかうわの空で、明日こそはと言っているうちに、いつの間にか老いて干からびる。

ぐだぐだ言わずにさっさと破滅しろ!はめつ!

破滅おばさんの怒号を聞きながら、荒野で白うさぎを待っているのだが、ちっともやって来ない。そう簡単には、来ないよな。ルンルンの国へ連れてってはくれないのか。トトロの子分みたいなやつも、通らないかな。きっとおれには見えないだろうな。ポケットに手を突っ込んで、紙屑を握り締めている。

昔から、刹那的なもの、瞬間的なもの、が好きだった。笑うという行為は、まさに、その最たるものである。さっきまであんなに笑っていたのに、もうすっかり寂しいのはなぜだろう。後には何も残らない、そうした馬鹿げた空想で、今笑えれば良い。

瓦礫の下でうずくまる天使がいた。きみには、甘いチョコレートを差し上げよう。そのうち溶けて、きっと手がべたべたになります。代わりに真っ黒けの笑顔を頂戴。

何もいりません。舞台に来てください。