お花畑は蝿だらけ

憧れが強くて、地に足が着いていない人。他人にこんな風に見られたい、思われたい、という欲が強すぎて、けれども中身が伴っていないために憧れだけが垂れ流されてしまう。あぁ、みっともなくて見てられぬ。みちょぱに憧れても、みちょぱは既に存在しているため、いくら頑張っても二番煎じにしかなれず、せいぜい、むちょぽ止まりである。

にも関わらず、我々はいつも何者かに憧れている。お花畑は蝿だらけ。「はっきり言ってオマエは全然才能も無ければ努力もしていない、そこらへんの虫ケラだ、オマエのことなど誰も見向きもしない、だから諦めろ、早く諦めろ、もういい加減オマエ自身が気付いているはずだ、オマエは何にもなれぬ。はい終了」と閻魔様に言われても、あなたは頭をぽりぽり掻きながら、いやぁ、でも、私にも何かあると思うんすよね、などと言う。無い。きっと誰かの心に響くと思うんです。響かない。誰々のような感じでこんな風になりたいんです。なれない。でも。でも、では無いのだ。からっぽで不純なお前に、一体誰が微笑むというのか。憧れなど捨てて、早いところ米を炊いて歯を磨いて布団で寝るべきだ。それなのに、あなたはいつまでも眠らずに、あぁ愛されたい褒められたい認められたい、あんな風になりたいなりたい、いつかなりたい、と呟いて、臭い溜め息ばかりついている。何もしなければ、いつかはいつまでもやって来ない。

何もいりません。舞台に来てください。