ほれ、はよ動きなはれや、と婆に杖でつつかれても、駄々こね、床に突っ伏したまま、もう少ししたらやるから、だからあと5分、と言ったきり5時間動かぬ。面倒臭そうにして、微動だにしない。

それでも5時間後、ようやく立ち上がった自分は、瞼を擦り、動き出す。ふらふらふらふら、足元おぼつかぬ様子で、めんどくさと呟きながら、しかし、やらねばならぬ。それから自分は朝まで飯も食わず便所へも行かず、ひたすら回る。とにかく回る!一度回ると、ずっと回っている。ちょっと休みなはれや、と婆が茶と煎餅を出してくれても手を付けることは無い。ぐるぐるぐるぐる。途中からは明らかに速度も遅くなり、呼吸も乱れている。少し回って少し休憩、ということが何故か出来ない自分は、いつも効率が悪い。最終的には三半規管をやられるまで回り続けて、朝日が射し込み目眩でダウン。終了。

今日もようけ回りはりましたなぁ。うん、そやけど婆、これ、あかんわ。今気付いたけど、逆やわ。ほんまは時計回りに回らなあかんのに全部反時計回りに回ってた。何の意味も無かったわ。



何もいりません。舞台に来てください。