8月26、27日『ヤングのお花畑漫才』『ヤングの豚丼漫才』

都会に住んでいる人が田舎へ遊びに行く。それは、日々の喧騒から抜け出して、ひとときのくつろぎと癒やしを手に入れることが目的、大抵の旅行がそうと言っても過言ではないだろう。都会では見られない自然豊かな景色を見たり地元名産の美味い飯を食って満足、羽を伸ばしてゆっくり休んで息を吸い込み、やっぱり田舎の空気は新鮮で美味いなァ、と言いたいがために、我々はわざわざ飛行機なんかに乗って遠くのオアシスまで足を運ぶ。けれども、そうした、るるぶ的な満喫の全ても、灼熱の気温を前にすればいとも簡単に滅ぶ。焼き尽くされる。

北海道異例の最高気温35度を越えて太陽サンサンの阿呆みたいな日差しの中、四季彩の丘のお花畑をバックに『お花畑漫才』をやった。新ネタひとつ、後はラジオの公開収録をした。勿論の汗だくで息も切れ、何を喋ってるのか自分でも分からない。まるで奇妙な夢の中にいるような気分だった。けれども後でお客さんが撮ってくれた写真たちを見ていたら、何かいい感じだった。実際は見てる人たちも全員へろへろでうなだれていた。

次の日は宿から2時間半かけて車で山間の峠を走り、帯広へ。駅前のアソビ場というライヴバーで『豚丼漫才』。この日も外は灼熱であったが、今日は屋内だしバーだし、涼しい気持ちでパリッとやろう、と思いきや、店内は普通に蒸し暑く、小ぶりのエアコンがひとつやる気無さげに回っているのみで、店主に聞くと北海道の店はどこもそうらしい。こんなに暑くなることがまず無いので、冷房設備には全く力を入れておらず、結果2日続けての汗だく漫才となった。勿論客席も暑かったので、この暑い中でも笑ってもらえるよう、急遽ネタを変えたほどである。ライヴにはゲストで北海道芸人の優主義、ロベルト三好、金魚と強盗の3組も出演してくれて、皆慣れない雰囲気の中しっかりとやってくれて嬉しかった。DVDも売れたし、やって良かったと思う。

ライヴ2連の次の日の今日は見事に気温も下がり、24度くらい、地元の人曰く、本来の北海道は盆終わりの時期からは長袖でも良いレベルの涼しさらしく、ようやく北海道の夏を感じることが出来た。空模様は曇りで、そのため日差しにやられることも少なく、ゆっくりと癒やされながら遥かなる大地でるるぶ的満喫をしたのだった。現地で出会った人たちは皆おおらかで優しく、ユーモアに溢れた人ばかりだった。ついでに、宿の庭で四葉のクローバーも見つけた。もしもライヴの日程が今日、明日ならば、もしくは来週ならば、きっともっと悠々とやれたのかもしれないが、その辺りも含めて何が起きるか分からないのがライヴの醍醐味でもある。





何もいりません。舞台に来てください。