爆弾

ハァ、死のうかな。と言うのと、ハァ、もう少し生きようかな。と言うのとは、違うようでどこか似ているような気がする。どちらもタイヘンなことだ。まったく、イージーではないことだ。今までの色々な素敵を忘れてしまう日がいずれやって来るのなら、いっそのこと爆発しませんか、って思う。後ろ向き、ネガティブな思考をグイッと前に捻れば喜劇的、ボカンとさせて何かをやり遂げたい、そんで身体中粉々散り散りに砕け散りたい願望は、きっと誰しも持っているはずだ。別にどうなろうと構わないではないか。何年かすれば、笑い事になるかもしれぬ。正しいとか間違えてるとか、そんなことより、素直な気持ちを大切にしたい。

私なんぞは日々嫌なことから逃げてばかりで、良い歳して陰気臭く、負けっぱなしのてんてらりん、知らん人との会話は恥ずかしいし、何も上手くいかねえ、こないだはコンビニの兄ちゃんがあまりに無愛想で、袋要りませんって言ったのに袋に入れられて、それからお釣りを投げられた、それなのに私は何も言えず、あの、すんません、煙草も貰えます?ハイライト、ええと、84番です、あ、すんません、とか言って、兄ちゃんに睨まれた。心はいつも濡れた犬である。けれども爆弾はちゃんと隠し持っているよ。兄ちゃんなんて一発で仕留められるくらいの、威力抜群の爆弾を。ヘロヘロのあなたも、きっとその小さな胸に持っているはずだろう。爆弾、というと、ガーシー暴露話みたいに聞こえるが、そういう意味では無い。つまり…、爆弾である。それは愛でも欲でもロマンでも良い。いつか爆発する日がやって来るから、それまでとにかく忘れてはいけない。大切に抱えておこう。勝ちとか負けとかそういう次元でなく、爆発するんだ。導火線に火をつけるときが肝心で、スピードとタイミングの見極めを間違えず、丁寧に。じゃないと不発もしくは暴発して、意味分からん感じで終わるから、そんで結局傷付くのは自分だから。

何もいりません。舞台に来てください。