Crazy Young Flowers Manzai

3月に神戸の喜楽館で単独ライヴをして、それからもう結構月日が経っていることに驚く。久しぶりの単独ライヴで、何だかんだ労力も使ったので終わってからしばらくは堕落していた。お菓子をむさぼり食ったり風呂に入らなかったりして、そしたら普通に体調も崩した、というか、身体が重い感じで頭がぼんやりした。あの娘も天空に飛び立ってしまったし、自分は一人で土に埋まりたい気分だった。何かもう他人のこととかどうでもいいし期待されるのも舐められるのもどうでもいいから!って自暴自棄になって、屁をこいた。そしたらすこぶる臭くて、このままではいかん、と思って体操した。桜も散って、まだ寒い夜もあるが、どうせすぐに暑くなるのだろう。とにかく、春は去って行く。

『ヤングの狂い咲き漫才』というタイトルは、何となくお花のことを考えていたからで、後は、何か格好付けようと思って決めた。自分はお花には全く詳しくないのだが、近所の公園を散歩するときは一応花壇を眺めるようにしている。お花好きの人がボランティアで世話をしているのだろう、そこの花壇はちゃんと手入れがされており、季節ごとに色とりどりのお花が咲いているのだ。子供たちはボールに夢中だから見向きもしないが、それでも構わずお花たちは凛と咲いている。時折、自分は携帯でパシャリとしたり、匂いを嗅いだり、花びらを指で軽くちょんと触ったりする。赤青白黄色、お花は綺麗で可愛くひたむきで、そして儚い。ああ、知らん間に散ったり枯れたりして、土になり、また新たなお花がそこに咲く。みんなが気付かないうちに。

ライヴの準備というのは、ネタを考えるのは勿論なのだが、それ以外のさまざまな作業が沢山あり、自分はいつまで経っても器用に円滑に出来ない。出来ないなりに、必死にパソコンにかじりついたり、連絡事項をまとめたり、紙を切ったり折ったり、ケーブル類を束ねたりしている。2日前や前日に、あたふたしながら朝まで掛かって何とか終わらす。飯も水もろくに摂取しないから、その時点で身体はカチコチ頭はホヘホヘ、そんな状態で毎回ライヴ当日を迎える。良くないと思う。そんなギリギリなるんやったらもうちょい早い段階からやっときなさい!ってママに叱られる。いつも反省していて、次はこうしよう、って考えるのだが、結局また同じようなことの繰り返しで、その度に負け犬の火傷跡がこびりつく。

披露した漫才たちは、狂い咲きのイメージで、毎回そうなのだが、色の違うさまざまな漫才をしたいと思い、作った。あんまり同じようなことをずっとしたくはない。好みはあるだろうけど、そういうのが面白いと思う。多分お客もどこかハードルあげて見るだろうし、こちらも楽しませるというよりは、笑わす、唸らす、という気持ちで、甘えを捨てて臨んだ。舞台に上がるときは、どうだい!と、火傷跡を見せつけるような強さを持てる。

蓋を開けたら、普通に楽しくて、面白くて、劇場も良いところで、またここで単独ライヴをしたいなと思った。来てくれた人たちも満足そうだったし、良いライヴになりました。

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【ヤングの狂い咲き漫才】
DVD(本編約90分+特典映像約15分+ヤング・ステッカー付き)
2,000円
ライヴ喫茶 亀、ライヴ会場、通販で販売中。

https://youtu.be/5r7BIBm1bQU





何もいりません。舞台に来てください。