ルドルフ・コールナーJr

ルドルフ・コールナーは、北欧にある小さな国の農夫であった。牛を飼い、畑でトウモロコシの栽培をしていた。しかし、あるとき国の独裁者の卑劣な裁定により、牛と畑を奪われてしまうこととなる。彼には妻がいた。牛と畑を奪われるということは、つまり仕事を失うということであり、明日からの食糧もままならぬこと、それはすなわち家庭の死を意味していた。正義感の強いルドルフ・コールナーは独裁者への復讐を胸に、一人立ち上がった。が、あっさりと囚われの身となり、牢屋にぶちこまれて、国家反逆罪で死刑と決まり、毒ガスの刑に処されることとなった。執行の朝、ルドルフ・コールナーは懐に隠しておいたフォークとバターナイフで自らの鼻を切り落とし、「毒ガスで殺せるなら殺してみろ!」と言い放ったが、何してんねんお前、ほんなら絞首刑じゃ、ということで、首吊りで死んだ。見るも無残な姿だったという。しばらくして、ルドルフ・コールナーの妻は一人の子どもを産んだ。ルドルフ・コールナーが囚われたとき、彼女は身籠っていたのである。生まれた赤ん坊は丸い顔をした男の子であったが、生まれつき鼻が無くて、本来鼻がある部分の上下にそれぞれ三つの鼻孔が付いていた。また、顔面が異様なほどに紅潮していた。奇形児であった。何かを訴えかけるかのように、目を開いて泣いていた。まるで父親の怨念を背負ったかのような、その邪悪な赤ん坊は、ルドルフ・コールナーJr、と名付けられた。

何もいりません。舞台に来てください。