四葉

今日は、生まれて初めて四葉を見つけた。だから何だと思われるかもしれぬが、これは自分にとっては物凄いことなのである。

姉や姉の友人たちとひたすら四葉のクローバーを探した幼少期、横着してばかりの自分はとうとうひとつも見つけることが出来なかった。子供心にして、あぁ自分はきっと一生四葉を見つけることは出来へんねやろな、と直感的に思った。何となく、人間というのは選ばれる人と選ばれない人がいて、つまり元から四葉を見つけられる人と見つけられない人がいて、それはもう決められた宿命であるような気がした。で、自分という人間はきっと見つけられない人側に分類されていて、いくら頑張っても四葉を見つけることは不可能、ゲームオーバー、諦めましょう、そんな風に思っていた。だけど大人になってからも、公園などでクローバーの生い茂る場所があれば何となくちょっと掻き分けて無意識にチラ見している自分もいて、だから、いつか四葉、という夢を手放したわけでは無かったのだろう、凡夫ボーイの私には到底届かぬラッキーキュートである四葉を、いつか見つける、それまでは憤死できねえぞ。そんな大袈裟な話では無いのだが、すぐに四葉を見つけるきみの凄さを自分は羨ましく思っていたし、また、感激していたのだ。

今日、四葉を見つけた。遂におれは見つけたんだ。これで生まれ変われるような気がした。

何もいりません。舞台に来てください。